富士通は、日本版SOX法の施行などにより財務情報の透明性や正確性の確保、その迅速な開示、流通のための体制整備が強く求められるようになっていることから、国際標準であるXBRL(eXtensible Business Reporting Language)の関連市場での取り組みを強化する。XBRLによる、企業、監査・規制機関から、個人投資家に至るまでの財務情報サプライチェーンの構築で、拡大が見込まれる財務諸表に関連する市場で先行することを図る。XMBLで記述された財務情報を処理するミドルウェア「Interstage XWand」を核に、サービス、システム開発なども展開する。
XBRLは、財務情報を電子的に記述する形式の国際標準で、財務/経営/投資など、さまざまな用途に使用する情報を記述できるXMLベースの言語で、正確な財務情報の公開、流通、再利用にかかる時間の短縮とコストの大幅な削減が可能になるという。2002年に設立された標準化団体「XBRL International」が標準化と普及を全世界的に推進しており、各国の公認会計士協会、各種企業など、500以上の組織・団体が参加している。同社は、仕様策定ワーキンググループの議長として参画しており、標準化に積極的に取り組んでいる。
XBRLは基本的に「Taxonomy」と「Instance」という2種類の基盤で財務情報を記述する。「Taxonomy」は、財務諸表の基礎を構成する会計上の思想を電子化したもので、損益計算書の要素となる売上高、売上原価や、売上総利益とは売上高と売上原価の差であるといった概念を定義する。「Instance」は、「Taxonomy」で定義された概念に準拠したデータ自体であり、財務諸表の実際のデータを電子化したものだ。
XBRLは、従来、「紙」を主体としてやり取りされていた財務情報を電子化することで、その流通が迅速化されるとともに、再入力の手間を省き、コストが削減され、誤入力の危険性も回避される。さらに標準化により相互運用性が向上、システム間の連携が実現する。XBRLによりもたらされる効果としては以下のような点が挙げられる。
企業では、電子化で開示情報の透明性が確保されると同時に「データの流れが捕捉され、内部統制の強化ができる」(同社ソフトウェア事業本部 アプリケーションマネジメントミドルウェア事業部 事業部長代理 立岩正弘氏)。企業から提出される財務報告を監査する金融監督官庁/証券取引所などは、それらの情報の収集、監査業務を効率化できる。アナリストや投資家は、財務情報を閲覧、利用しやすくなる。
「Interstage XWand」は、XBRLで記述された文書を処理するXBRLエンジンで、最新版「Interstage XWand V9.0」は最新仕様の「XBRL 2.1」、「XBRL 2.0」に対応、XBRLを採用したシステム構築を支援する。
「Interstage XWand」は次のような製品で構成される。
「Interstage XWand Developer」はXBRL文書を作成・編集するためのエンジンで、アプリケーションを開発することができる。開発用ドキュメントやサンプルプログラム、XBRLツールを提供する。
「Interstage XWand サーバ運用パッケージ」は、「Interstage XWand Developer」で開発したXBRLアプリケーションを、サーバーで運用するためのライブラリを提供する。
「Interstage XWand パーソナル運用パッケージ」は、「Interstage XWand Developer」で開発したXBRLアプリケーションを、クライアントOS上で運用するためのライブラリおよびXBRLツールを提供する。
同社によれば、2008年春から金融庁がXBRLに本格対応する予定で、有価証券報告書などの開示書類の電子開示システム「EDINET(Electronic Disclosure for Investors' Network)」に適用、ここで「Interstage XWand」が採用され、上場企業から提出される有価証券報告書のエラーチェック、XBRLデータのHTML変換などに利用されるという。また、東京証券取引所では、2003年4月から同取引所の運営するTDnet(適時開示情報伝達システム)にXBRLを採用している。
これらのような公的機関がXBRLを機軸として財務情報を収集するようになれば、企業にも、さらにXBRLが普及していくことが予想される。財務諸表を提出するためのツール、あるいはその支援、一般会計ソフトへの組み込みなど、XBRLの裾野がいっそう広がることが期待できる。また、日本版SOX法の施行も追い風になることから、同社ではXBRL関連市場での販売をさらに重点化、「Interstage XWand」とともに、コンサルティングサービス、システム開発、XBRLのさまざまなツール類など、幅広く展開していく意向だ。
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