マイクロソフトは11月13日、組み込みデバイス向けのリアルタイムOS「Microsoft Windows Embedded CE 6.0」を同日より提供開始すると発表した。1996年にバージョン1.0が発表されたWindows CEは、今回の6.0でちょうど10周年を迎えることになる。
Windows CE 1.0リリース前の1995年、同製品の担当としてマイクロソフトに入社した同社 執行役常務 ビジネス&マーケティング担当の佐分利ユージン氏は、これまでのCEの歴史を振り返り、「Windows CE 3.0でハードリアルタイムをサポートし、シェアードソースコードプログラムを開始したことは、CEの歴史で最初のブレイクスルーだった。6.0は第2のブレイクスルーだと感じている」と述べ、6.0でネットワーク機能が充実したこと、開発者の効率を高める機能が拡充されたこと、シェアードソースコードが強化されたことについて説明した。
マイクロソフト 執行役常務 ビジネス&マーケティング担当 佐分利ユージン氏
ネットワーク機能は、これまでのBluetooth、WiFi、Ethernetに加え、WPA2、QoS、RTC 1.5などのプロトコルや、IP電話アプリケーションなどもサポートする。これにより、さまざまなネットワークとの接続を必要とするカーナビゲーションや、モバイルネットワークを経由して在庫状況をレポートする自動販売機などのシステム構築が可能となる。
開発効率向上のために再設計されたカーネルでは、プロセス数がこれまでの32から3万2000となり、仮想メモリがこれまでの32Mバイトから2Gバイトへと拡大した。また、開発環境を統合し、「Visual Studio 2005」上でアプリケーション開発やデバッグなども可能となったほか、ARMエミュレータも統合した。
6.0はさらに、アプリケーション開発の設計から展開までのすべての工程において、セキュリティを配慮して開発するよう定めた「セキュリティ開発ライフサイクル(SDL:Security Development Lifecycle)」に基づいて開発されているため、「セキュリティも向上している」と佐分利氏は話す。
シェアードソースコードは、マイクロソフトが知的財産を管理しつつソースコードを公開し、デバイスメーカーが必要なコードを改変できるというプログラムだが、これまでカーネルのソースコードの約半分しか公開されていなかったのが、6.0では100%公開した。デバイスメーカーは、このプログラムを通じて6.0を独自に改良し、差別化を施した上でデバイスに搭載、再配布できる。改良部分を公開する義務はない。
佐分利氏は、CE 1.0がリリースされた当初はPDAやハンドヘルドPC向けのOSとしてのみ使われていたのが、3.0でハードリアルタイムをサポートして以降、ファクトリーオートメーションやロボットなどにも組み込まれるようになったと話す。「これからはワイヤレスプロジェクトやネットワーク対応のデジタルビデオレコーダなどにも搭載されるだろう」として、組み込み向けOSとしてさらに適用範囲が広がることを強調した。
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