マイクロソフトの組み込みビジネスが好調だ。同社は5月16日、東京都内にて開幕した「第10回 組込みシステム開発技術展」でプレス向け説明会を開催し、マイクロソフト モバイル&エンベデッドデバイス本部 部長の梅田成二氏が同社の組み込みビジネスについて語った。
梅田氏によると、ワールドワイドでの同社の組み込みビジネスは、金額ベースで前年比50%増、数量ベースで前年比150%増で、「サーバ、クライアント、Office関連ビジネスに比べても、非常に高い成長を示した」という。
好調な同社の組み込みビジネスについて語るマイクロソフトの梅田氏梅田氏は、このビジネスが成長している理由について、「1996年にWindows CEが登場した当初は主にPDA向けのOSと考えられていた。それが現在では、ファクトリーオートメーションやオフィスオートメーション、カーナビ、さらには牛の搾乳機にまで使われるなど、適用範囲がどんどん広がっている」と話す。
さまざまなデバイスがネットワークに接続されている現在、Windows Embedded CEの最新バージョン6.0では特にネットワーク機能が強化された。これにより、「さらに幅広い使い方が考えられる」と梅田氏はいう。
ただし、ソフトウェアベンダーのマイクロソフトが単独でできることは限られている。梅田氏は「できるだけ多くの分野でWindows Embedded CEを使ってもらうには、パートナーの力が欠かせない」とした。
Windows Embedded CEを活用したソリューションを提供するパートナーのひとつに、C2Silicon Software Solutionsがある。同社は、Texas Instrument(TI)のDaVinciプロセッサ向けにMicrosoft Windows Embedded CE 6.0 BSP(ボードサポートパッケージ)のリファレンスデザインとシステムソリューションを提供する。
デモでは、DaVinciテクノロジーをベースとしたTIのDVEVM(デジタルビデオ評価モジュール)向けにBSPを提供し、同システムを活用したプロジェクタとWindows Vista搭載のPCがワイヤレス接続できる例が示された。
C2Silicon Software Solutionsのエンジニアリングディレクター、菅原崇之氏によると、通常プロジェクタとPCをワイヤレス接続するには、プロジェクタメーカーの提供する専用のアプリケーションをPCにインストールする必要があるという。それが、「他のWindows製品と親和性が高いWindows CEベースのプロジェクタを利用することで、特別なアプリケーションがなくてもPCとのワイヤレス接続が簡単に実現する」と菅原氏。
また、NECエレクトロニクスでは、同社のデジタル家電用システムLSIプラットフォーム「platformOViA」に、Windows Embedded CE 6.0を移植した。これにより、「Windows PCでの技術を簡単にデジタルテレビに移植できる」と、NECエレクトロニクス ソフトウェア推進室 シニアエキスパートの桑原一悦氏。「テレビの世界はこれまで、放送局からの情報提供という一方向でしかなかったが、これからは双方向通信の時代がやってくる。Windows Embedded CEはこうした変化に対応できるOSだ」(桑原氏)
マイクロソフトの梅田氏は、組み込みビジネスには3つの波があるとしている。1つ目の波はOSの進化、2つ目の波はそのOSに合ったボードやミドルウェア、アプリケーションが登場すること、そして3つ目の波は、2つ目の波を受けて開発が進み、新製品が登場することだ。同氏は、現時点で2つ目の波が来ていると見ている。3つ目の波も、すぐそこまで来ているのかもしれない。
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