Symantecは米国時間20日遅く、同社のウイルス対策ソフトに脆弱性が存在し、ハッカーに悪用されることでシステムの乗っ取りが可能になることを明らかにした。
Symantecによると、このバグは同社のセキュリティ製品に影響を及ぼし、危険度は「高い」という。デンマークのセキュリティ会社Secuniaはこれを「非常に深刻である」と述べた。
Secuniaが発した勧告によれば、このバグはSymantecのほとんどの製品に影響を及ぼすという。影響を受ける製品としては、企業向けおよび家庭向けバージョンの「Symantec AntiVirus」「Symantec Norton AntiVirus」「Symantec Norton Internet Security」が挙げられる。また、Windows版とMacintosh版の違いは問わない。
この脆弱性は、ウイルス分析におけるファイルフォーマットサポートを提供するSymantec AntiVirus Libraryのなかに存在する。「RARファイルの解凍中、Symantec製品にはヒープオーバーフローの脆弱性が複数みられる。これらの脆弱性を悪用することで、ハッカーらは保護されているシステムを完全に制御することが可能となる」と、最初にこの脆弱性を発見したセキュリティコンサルタントのAlex Wheelerは述べている。「これらの脆弱性は、SMTPなどの一般的なプロトコルを使ったデフォルトのコンフィギュレーションにおいて、ユーザー側の動作を必要とせずにリモートからの攻撃を可能にする」(Wheeler)
RARはWinRARのネイティブフォーマットであり、データの圧縮および解凍に使用されている。これまでのところ、この脆弱性は「Dec2Rar.dll version 3.2.14.3」について報告されているほか、Wheelerによれば、このDLLを利用するすべてのSymantec製品に影響を及ぼす可能性があるという。影響を受ける製品のリストはSecuniaのウェブサイトで見ることができる。
Symantecはまだこの問題に対処するためのパッチをリリースしていない。Wheelerは、「脆弱性のあるコードが修正されるまでは、RAR圧縮ファイルのスキャンを無効に設定する」ことを推奨している。
Wheelerが発見した脆弱性はこれが初めてではない。10月に同氏は、Kaspersky Labのウイルス対策ソフトにおいても同様の欠陥の存在を明らかにしている。これは後に同社により確認された。これもまた、ヒープオーバーフローの脆弱性であった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ