ロシアのアンチウイルス企業Kaspersky Labは米国時間4月5日、「iPod」への感染を目的に設計された初めてのウイルスを発見したと発表した。「Podloso」と名づけられた同ウイルスの脅威度は現時点では深刻でないという。
Kasperskyによると、このウイルスの対象となるのは、iPodに「Linux」がインストールされている場合のみだという。また、同ウイルスはユーザーが自らiPodにロードしない限り、感染しないという。「ユーザーによる操作が介在しない限り、Podlosoが起動することはない」と同社は述べた。
一旦起動すると、PodlosoはiPodのハードディスクをスキャンし、すべての実行可能ファイルに感染する。Kasperskyによると、感染ファイルを起動しようとすると、「You are infected with Oslo the first iPodLinux Virus(お前は、初のiPodLinuxウイルス『Oslo』に感染している)」と表示されるという。
Apple製のハードウェア上でWindowsを実行している場合のみを対象としたウイルスのことを、「Mac OS X」のウイルスと呼ぶのはおかしいように、これをiPodウイルスと呼ぶのはいささか奇妙と思われる。
Kasperskyは、「Podlosoは、典型的な概念実証型ウイルスである。このようなウイルスは、ある特定のプラットフォームを感染することが可能であることを示すために作成される。Podlosoは悪質なペイロードを含まず、深刻な被害を及ぼすものではない。これは単にこのような機器に対し、悪意のあるプログラムを作成することが理論的に可能であることを示しているだけである」と述べた。
ちなみに以前にも、iPodにウイルスが混入したことはあった。Appleは、「RavMonE」というWindowsウイルスを含むiPodを出荷したことがあった。このウイルスはiPodには感染しなかったが、iPodに接続されたWindows PCに感染する可能性のあるものであった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ