犯罪科学の専門家で「iPhone」の開発者でもある人物によると、「iPhone 3GS」の暗号化機能はあまりにも簡単に解読できるため、クレジットカード番号や社会保障番号のような重要な個人データの保護という観点から見れば、実質的には「機能していない」という。
「わたしたち(開発者)の中で、これほど不完全に実装された暗号化を見たことのある人はいないと私は思う。それがセキュリティにとって非常に大きな脅威である理由を説明するのが難しいのは、そのためだ」とJonathan Zdziarski氏はWiredに話した。
Zdziarski氏によると、iPhone 3GSへの物理的なアクセスが可能で無料のソフトウェアがあれば、2分以内でデータを、約45分でRAWディスク全体のイメージを抽出することが可能だという。抽出が始まると、iPhoneは自らデータを復号化する、とZdziarski氏は動画デモの中で説明する。
Appleは、企業ユーザーにiPhoneを使ってもらうために、暗号化などの機能をしきりに宣伝している。そして、その広報活動は功を奏しているようだ。Appleが米国時間7月21日、同社決算に関する電話会議で述べたところによると、Fortune 100企業の20%近くが1社につき1万台以上のiPhoneを購入したという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ