グーグル攻撃に使われた脆弱性を突く新たな実証コードが登場--シマンテックが警告

小山安博

2010-01-22 16:23

 シマンテックは1月22日、Internet Explorer(IE)のゼロディの脆弱性を狙った新しいエクスプロイトコード(脆弱性実証コード)が公開されたと発表した。脆弱性を解消するパッチは、22日にマイクロソフトから公開されており、シマンテックでは同パッチの適用を強く推奨している。

 IEのゼロデイ脆弱性は、米Googleへのサイバー攻撃に際して使われた脆弱性で「Aurora」と呼ばれ話題となった。この脆弱性を解消するパッチは、マイクロソフトが毎月提供する月例パッチではなく、定例外のパッチとして22日に提供が開始されている。

 今回発見されたエクスプロイトコードは、この脆弱性を悪用して攻撃を仕掛けるもので、「数百のウェブサイトにホストされている」(シマンテック)という。ホストされたHTMLページは「Trojan.Malscript!html」として検出され、ダウンロードされたファイルが実行されたときに表示される警告ダイアログを回避するシェルコードが含まれているという。

 これは、MessageBeep APIのコードを書き換えることで、IEが再生するビープ音のプロセスを終了させ、その上でIEのウィンドウを再表示させる。また、APIフックを回避するコードも含まれており、セキュリティ対策製品が監視するAPIを見逃す恐れがある、という。

 この攻撃を受けると、最終的にはマルウェアがダウンロードされる。「Googleに攻撃を仕掛けたときに使用されたTrojan.Hydraqと同じマルウェアではない」とのことだ。

 シマンテック製品はすでにネットワークやウイルス対策のシグネチャでこの攻撃に対応し、トロイの木馬としてマルウェアを検知するが、今後も新たな攻撃の登場が見込まれるために、IEの修正パッチを適用することが必要だとしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    最も警戒すべきセキュリティ脅威「ランサムウェア」対策として知っておくべきこと

  2. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  3. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  4. セキュリティ

    「どこから手を付ければよいかわからない」が約半数--セキュリティ運用の自動化導入に向けた実践ガイド

  5. ビジネスアプリケーション

    新規アポ率が従来の20倍になった、中小企業のDX奮闘記--ツール活用と効率化がカギ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]