アドビのマクロメディア買収--ウェブアプリケーション開発が焦点に

Paul Festa(CNET News.com)

2005-04-19 13:43

 Adobe Systemsは、Macromediaを34億ドルで買収することで、次世代のウェブアプリケーション開発のあり方を決める極めて重要な戦いに乗り出そうとしている。

 Adobeは、印刷も可能な電子文書フォーマット、PDF(Portable Document Format)で有名だが、完全なデジタルコンテンツの領域では長い間苦戦を強いられていた。そして、この分野に得意とするのがMacromediaだ。

 Adobeは今回の合併で、Macromediaのアニメーション/アプリケーション開発用ソフトウェア「Flash」を自社のポートフォリオに加えることになったことから、同社は今後ウェブアプリケーションの新プラットフォーム構築をめぐって、Microsoftとオープン標準の両方を相手に戦うことになる。

 「ブラウザをめぐる最終決戦が始まろうとしている」と語るのは、Xamlon最高経営責任者(CEO)のPaul Colton。同社ではMicrosoftの.Netフレームワークで動くアプリケーション制作ツールを開発している。同社は今月に入って、Flashムービーを書き出せる機能を追加した。「この合併の目的はブラウザベースのアプリケーション市場を支配することにある。PDFとFlashはすでにかなり普及していることから、これらを組み合わせれば非常に強力なものが生まれる」(Colton)

 Adobeから見ると、マルチメディアコンテンツのオーサリングツールをMacromediaから獲得することは、ビジネス市場における立場の強化にもつながる。両社が1つになれば、ドキュメント指向アプリケーションやリッチメディア・ウェブアプリケーションを構築するためのクロスプラットフォーム製品の品揃えが、さらに充実したものになる。また、Macromediaにはコラボレーション用の製品もある。

 Forrester Researchの主任アナリストRobert Markhamは、「狙いは間違いなくエンタープライズ市場だ。Adobeは今回の合併で、エンタープライズ市場における競争力を大きく広げることになる」と語っている。

 AdobeとMacromediaのソフトウェアを利用するユーザー層は、ウェブデザイナーやグラフィックスアーチストなど、いわゆるクリエーターが占めている。しかし両社は、企業の技術部門との取引拡大も目指している。

 実際に、Adobeがドキュメント管理ソフトで展開する「ライフサイクル」ビジネスは、昨年約1億ドルの売上を計上している。

 Adobeはいまのところ、Microsoftを相手にした戦いで、PDFやPhotoshopを使いながら何とか攻勢をしのいでいる。しかし、ソフトウェアベンダー各社が、次世代のウェブアプリケーション開発をめぐって、開発者に選ばれるプラットフォームを提供しようとしのぎを削るなかで、両社の最も激しい戦いはこれから始まることになると、アナリストらは述べている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    2027年開始のSCS評価制度にも対応。「業務を止めない」ファイル暗号化の最適解

  2. セキュリティ

    Gmail標準機能だけでは防げない誤送信・なりすまし。操作性を変えずに組織のメール統制を固める方法

  3. セキュリティ

    製造業の情報漏洩をどう防ぐ?CADデータ・USB運用・ネットワーク分離環境のセキュリティ強化を解説

  4. セキュリティ

    AIを武器化する攻撃者にどう立ち向かうか。1,000名のリーダー調査で迫る「5つのリスク防御論」

  5. ビジネスアプリケーション

    なぜAIエージェントはPoCで停滞するのか? 本番稼働を実現する統合アプローチを解説

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]