企業向けグリッド・コンピューティング技術の確立と普及を目的とする業界団体「Enterprise Grid Alliance」(EGA)の日本運営委員会は5月11日、EGA初の成果物として、グリッドを利用する形態の推奨例である「EGA参照モデル」を公開した。参照モデルは、企業がグリッドを利用する場合やベンダーが企業向けグリッド関連製品を開発する際の指針となる。
EGA参照モデルは、用語集、モデル、利用ケースの3つで構成する。モデルとは、グリッド・コンピューティングを構成する個々のハードウェアやミドルウェア、アプリケーション部品などの機能とインターフェースのあり方、部品ごとのつながりのあり方などをモデル化したもの。参照モデルに基付く製品を比較したり、参照モデルに基付くシステムを構築する際に、製品やシステムが提供する機能を判断する材料となる。
EGAは米EMCやNEC、米Oracle、米Sun Microsystemsなどグリッド関連ベンダーが2004年4月にグリッド技術の確立と普及啓蒙を目的に設立した業界団体である。グリッド・コンピューティングが広まる素地を作ることが狙いであり、成果物として、参照モデルの作成と改善、コンポーネントとデータのプロビジョニング(容量設計と、需要に応じた資源割り当て)、セキュリティなどのあり方の推奨例を公開する。APIの標準化やライブラリ・コードの実装はEGAの活動には含まない。