日本IBMは、慶應義塾大学の先端生命科学研究所が所有する講義や研修用のエンジニアリングワークステーション「IBM IntelliStation」40台を相互接続し、グリッドコンピューティング化した。同社が9月2日に明らかにしたもの。慶應大学では、遺伝子解析と細胞シミュレーションに利用していく。
同研究所は、細胞の振る舞いを解析するシミュレーションなどに取り組んでいるが、こうした研究を進めるにあたって多大な計算処理が必要となる。そこで、通常は講義や研修などで利用しているワークステーションを、夜間や休日、長期休暇中などの未使用時間帯に有効活用することにした。こうして構築したグリッドコンピューティング環境は、学生および研究者のシミュレーション研究などに開放する。
ワークステーション40台で、同研究所の既存のスーパーコンピュータとほぼ同等の計算処理能力を提供できる。運用コストは半分以下で済み、ワークステーションを追加購入するだけでシステムを拡張できるメリットもある。