Sun Microsystemsは、Linuxに配慮したライセンスの下でJavaソースコードを公開する準備を整えた。これは、長年にわたる要望と論議を受けての動きだ。
Sunは米国時間11月13日、Linuxなど多くのオープンソース製品の管理に用いられるGeneral Public Licenseバージョン2(GPLv2)の下で、プログラミングソフトウェアのコードを公開する計画だ。Sunが運営するウェブサイトJava.netで、携帯電話向けソフトウェア「Java Platform Micro Edition」(Java ME)とデスクトップアプリケーション向けソフトウェア「Java Platform Standard Edition」(Java SE)にアクセスできるようにする。
Sunはすでに、GlassFishプロジェクトにおいて、サーバ向けソフトウェア「Java Enterprise Edition」(Java EE)をオープンソース化している。だが、今度は同じソフトウェアを、自社で策定したCommon Development and Distribution License(CDDL)ではなく、GPLv2の下で公開するというのだ。
これがJavaの普及に拍車をかけ、Linuxとのバンドルも容易になるだろうと、Sunのソフトウェア部門エグゼクティブバイスプレジデントを務めるRich Green氏は述べた。
「業界全体にとって画期的な出来事だ。影響力があり広範に利用されているウェブ向けのソフトウェアプラットフォームをオープンソースライセンスで公開するというだけでなく、ソフトウェアの開発や改良に向けた業界全体のモデルを変えるSunの取り組みを強調するものでもある」(Green氏)
GPLは、GPLの下で公開されたソフトウェアへの追加部分についても、同じライセンスを使わなければならないと定めている。したがって、オープンソースのJavaソフトウェアを使ってアプリケーションを作る場合、その開発者はGPLによって、新作のアプリケーションをオープンソースで公開することを義務付けられる。
しかしSunは、いわゆる「クラスパスの例外」を適用している。これはライセンスの追加事項で、GPLがカバーするソフトウェアに対してSunが制限をつけることを許可するものだ、とGreen氏は話す。
これにより、Sunのオープンソース版Javaを使ってアプリケーションを作るプログラマーは、自作アプリケーションを公開する際に別のライセンスも選択できると、Green氏は説明する。
「Java SEのケースでは、われわれはクラスパスの例外で(GPLを)拡張させている。そのため、現在(Javaの)ライブラリやバーチャルマシンでアプリケーションの開発を進めていたり、出荷したりしている人は、Javaのライセンスに影響を受けることはない」(Green氏)
さらに、Javaの開発元であるSunは、商用ライセンスの提供も継続するとの考えを示している。こうした「二重ライセンス」構造により、他のソフトウェアベンダーに法的な保証と正式な標準認証を与えることになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ