マイクロソフトは1月17日、ウェブクリエーター向けのデザインツールスイート製品「Microsoft Expression Studio」を発表した。アドビ システムズが圧倒的なシェアを握るこの分野で、「3年以内にシェア40%を獲得して同市場ナンバーワンになる」(マイクロソフト デベロッパービジネス本部 業務執行役員 本部長 市橋暢哉氏)と意気込む。
Expression Studioは、今月30日に発売開始する次期OS「Windows Vista」に搭載される「Windows Presentation Foundation」(WPF)テクノロジを利用しており、「Vistaの力を100%発揮できるツールだ」と市橋氏。3年以内にナンバーワンを獲得する自信を見せるのも、「Vistaは現行OSのWindows XPの2倍の早さで普及すると見られている。ユーザーがWPFのデザインや操作性を一度体験すれば、その良さを実感するだろう。その際、いち早くWPF対応のデザインツールを提供しているマイクロソフトに強みがあることはもちろん、高いシェアを持つわが社のVisual Studioとの連携が可能なExpressionはデザイナーにとっても開発者にとっても便利なツールとなる」と市橋氏は述べ、同製品の優位性を説明した。
Expression Studioは、ウェブサイト構築ツールの「Expression Web」、WPFアプリケーション作成ツールの「Expression Blend」、ベクターグラフィック作成ツールの「Expression Design」、デジタルコンテンツ管理機能とビデオエンコーダを備えた「Expression Media」の4製品で構成されている。
シリーズ第一弾として、まずExpression Webの日本語版を2月16日より提供開始する。通常版の参考価格は3万7800円だが、「Macromedia Dreamweaver」「Macromedia Contribute」「Adobe GoLive」「IBMホームページ・ビルダー」の正規ライセンスを持つ顧客に対しては、アップグレード版の価格(参考価格1万1800円)にてExpression Webに乗り換えが可能だ。なお、同製品の評価版はすでにサイトからダウンロードできる。
その他の製品については、Expression Blend日本語ベータ版が同日公開されたほか、Expression Designの日本語ベータ版が2月下旬に、Expression Mediaの日本語ベータ版が3月上旬に公開される予定だ。Expression BlendとExpression Mediaの単体販売と、スイート製品のExpression Studioの販売開始は、2007年7月〜9月期を予定している。なお、Expression Designを単体で販売する予定はない。
市橋氏は、Expression製品群が「ウェブの標準をサポートしていること、またブラウザに依存しないウェブアプリケーションが構築できるということが大きなメッセージだ」と述べ、ウェブクリエーターやウェブデザイナー、アプリケーションデザイナーという3つのターゲット層に対してExpressionを販売していくとした。