Adobe Systemsは米国時間3月19日、オンラインだけでなくオフラインでもウェブアプリケーションを実行可能にするソフトウェア「Apollo」の公開アルファ版をリリースした。
今回のアルファ版に続き、夏にはベータ版の公開を予定している。正規バージョン「1.0」は2007年後半に提供する計画だ。
Apolloのアルファ版は、主にウェブデザイナーやプログラマーによる使用が想定されている。アルファ版は無料でダウンロードでき、ソフトウェア開発キットと、Apolloアプリケーションを実行するための「ランタイム」ソフトウェアが含まれる。
Apolloは、ウェブアプリケーションの世界とデスクトップコンピュータの橋渡しをするよう設計されている。Apollo用に書かれたアプリケーションは、通常のウェブアプリケーションのように機能するが、ローカルディスクにインストールされたソフトウェアのようにも動く。たとえば、Apolloアプリケーションは、コンピュータのデスクトップ上でアイコンとして表示され、コンピュータがオンラインになると自動的にインターネットに再接続できる。
「これは(ウェブ)アプリケーションにとっては素晴らしいランタイム環境だ。今まで以上に頻繁に利用され、ユーザーはローカルデータとのやりとりをより多く求めるようになるだろう」と、Adobeのプラットフォーム事業部担当シニアバイスプレジデント兼チーフソフトウェアアーキテクトKevin Lynch氏は話す。
Apolloが一般ユーザー向けに提供されてからは、ユーザーはランタイムをデスクトップPCにダウンロードして、Apolloアプリケーションを実行できるようになる。これは、Adobeの「Flash Player」をダウンロードして、ウェブ上のFlashアニメーションを見るのとよく似ている。
Apolloのリリースは、リッチインターネットアプリケーション(RIA)の開発に携わる人々が待ち望んでいたものだ。RIAとは、従来のデスクトップアプリケーションと相互にやりとりのできるウェブアプリケーションを意味する。
クロスプラットフォームに対応したRIAを開発する手段としては、「Adobe Flash」、AJAX、Microsoftの「Windows Presentation Foundation/Everywhere」(WPF/E)、「OpenLaszlo」など、多くの選択肢がある。
Apolloのアルファ版は、WindowsおよびMacintosh上で動く。HTML、JavaScript、Flashを使ったプログラミングが可能で、AdobeのPDF形式のファイルも表示できる。さらに、WindowsとMacに続いて、Linux上で使用できるエディションのリリースも計画されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ