Googleの最高経営責任者(CEO)Eric Schmidt氏が当地時間6月19日、絶賛を集めているAppleの「iPhone」は、Googleがホステッドアプリケーションを提供するのに格好のプラットフォームであるとして、称賛した。
Schmidt氏はパリで19日に開催されたイベントで、Googleのトップ兼Appleの取締役として、将来的な両社のコラボレーションについて何らかの見通しがあるのかどうか、質問を受けた。同氏は、これを「本当は私のiPhoneが見たいのだろう」とかわし、ポケットからiPhoneを取り出し紹介した。同氏は「iPhoneは高性能な新型機器で、Googleが開発しているアプリケーションには打ってつけのものになりそうだ。いずれ両社から改めて発表があるだろう」と述べている。
iPhoneでは、Googleの検索サービスや地図サービスを利用し、「Google Maps」から直接電話をかけることが可能になる。同端末は米国では29日に発売を予定している。
AppleがAjax(Asynchronous JavaScript and XML)のサポートを決めたことが、GoogleがiPhoneの可能性を信じる大きな理由になっている。
インタラクティブなウェブを実現するWeb 2.0を語るうえで欠かせないキーワードとなっているAjaxは、シンクライアントコンピューティングなどのサービス、ウェブ標準規格、プラットフォーム非依存など、ソフトウェアとしてのサービスに適した特長を備えている。
Ajaxでアプリケーションを作成すれば、別の機器にアプリケーションをポーティングするためのコーディングに時間を費やさなくても、iPhoneを含めさまざまな機器で実行できる。
Schmidt氏は、Googleにとって携帯電話がますます重要になるという考えを示し、講演の中で着信音のサウンドエフェクトを使った説明まで行った。同氏は「今後、より多くの人をもっと素早くオンラインにアクセスできるようにするだろうことは確かだ。現在24億台のモバイル機器が利用されているが、最初の1台から10億台になるまでに20年かかったのに、そこから20億台になるまでは4年だった」と述べた。
同氏は、講演と1時間以上続いた質疑応答のセッションで、Googleがユーザーのプライバシーに触れることに関しこれ以上の批判を避けるためにどのような構想を立てているのかなど、さまざまな話題について議論した。同氏は「ユーザーは文字通りワンクリックでサービスの乗り換えができるのだから、信頼を得られなければGoogleは窮地に立たされる」と述べた。
同氏は今後の開発にも言及し、言語間の翻訳はGoogleが開発している最も重要な技術の1つであったと述べた。同氏は「私たちが開発を進めている中で、言語間の翻訳が最も面白い。エジプトのアレキサンドリア図書館には100万もの図書があり、原語から翻訳されたものは1%しかない」と述べた。
検索を専門とするGoogleが次に取り組む大きな活動は、ウェブに新しい1次コンテンツ(図書やドキュメントなど)を付け加えることだろう。Schmidt氏は、たとえば、Googleに「スエズ運河」と打ち込むと、運河が開通した1869年に遡って情報を表示するようにしたいと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ