米Symantecのホステッドサービスグループであるメッセージラボ ジャパンは10月6日、日本の中小企業(SMB)に向けたサービスを強化すると発表した。これに伴い、同社の提供するSaaS型セキュリティソリューションの管理画面を日本語化した。
MessageLabsは英国で1995年に創業し、1999年に世界で初めてSaaS型のアンチウイルスサービスを提供開始した。2008年にSymantecに買収され、現在はSymantecの100%子会社として事業を行っている。世界で2万1000社、850万人以上のユーザーが同社のサービスを利用しており、日本においても大手企業を含む約250社、28万人にサービスを提供している。
メッセージラボ ジャパン カントリーマネージャーの山本誠治氏は、2009年9月のメッセージラボ インテリジェンスレポートから「日本では全メールの89.4%がスパムとの調査結果が出ており、グローバルの86.4%という値を超えている」と述べる。日本でもより強固な対策が必要だとして、「管理画面が日本語対応となったのを機に当社サービスをSMBにも積極的に展開する」とした。
今回日本語対応となったサービスは、マルウェアやスパムを阻止し不適切なコンテンツをブロックする「メッセージラボ ホステッドメールセキュリティ」、ウェブ上のマルウェア対策と、社内ポリシーに合致しないウェブの使用を防ぐ「メッセージラボ ホステッドWebセキュリティ」、メールでの機密情報のやりとりをインターネット上で安全に行う「メッセージラボ ホステッドメールエンクリプション」だ。日本語化は、Symantecのローカライゼーションチームが担当した。
海外では、同社のサービスがSMB市場にも幅広く浸透しているという。MessageLabs Australasia アジアパシフィック&ジャパン担当 シニアマーケティングディレクターのAndrew Antal氏はその要因について、「オンライン広告やテレマーケティング、セミナーなどを通じて直接SMBに販売していたことと、大企業の事例をうまくSMBに伝えられたことが大きい。SMBでは、大企業の事例に信頼性を見いだす傾向があるためだ。また、競合企業はサポートをアウトソースするところもあるが、我々は常に顧客に近い場所でサポートしていた」と話す。
山本氏によると、これまでメッセージラボ ジャパンではSMBに対する販売体制が整っていなかったが、「セールスとマーケティングの担当者を配置したほか、シマンテックのパートナーも含めSMBに強いパートナーとも連携する」という。また、日本語によるテクニカルサポートも提供するとしている。