「openSUSE」は再興するか--KDE 4.6を乗せた新版が登場

Jack Wallen (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2011-03-30 08:00

 「SuSE Linux」が幅を利かせていた頃のことを覚えているだろうか?その頃、「YaST」は出回っている中で最善の管理ツールの1つであり、SuSE Linuxは「KDE」デスクトップをデフォルトとする数少ないディストリビューションの1つだった。しかし、NovellがSuSEを買収してから、状況は変わった。「Ubuntu」が台頭し、新しいユーザーは、Linuxユーザーの天国であるこのディストリビューションに群がった。しかし、Linux界に変化が訪れる中、「openSUSE」コミュニティーはその後もLinuxコミュニティーに波風を立てることなく、自分たちの中でopenSUSEを使い続けながら、脇道に逸れることなく前進を続けた。

 唯一の問題は、openSUSEがゆっくりと姿を消しつつあるように見えたことだ。Ubuntuがメディアの注目を集め、エンドユーザーはより互換性が高く、使いやすいものを求めているという状況の中で、openSUSEを使い続ける忠実なファンは少なかった。

 しかし、openSUSEコミュニティーが進めるプロジェクトである今回の新バージョンには、この暗い状況を覆すだけの力を持っている。具体的には、2つのポイントがある。「KDE 4.6」と、「Tumbleweed」および「Factory」だ。

KDE 4.6

 最新バージョンのKDEを同梱してリリースされる最初のディストリビューションの1つであるということには、利点がある。KDE 4.xがリリースされた際には、もう1つの人気デスクトップの陣営からは、KDEはもう終わりだと思われていた。しかし、KDE 4.5がリリースされて膨大な量のバグが修正されると、状況は変わった。そして4.6が出て、これまでも素晴らしく、安定しており、信頼できたデスクトップが、さらによくなった。KDE 4.6は、デスクトップとして最高の水準にある。見た目が非常に洗練され、プロフェッショナルに見えるだけでなく、動作にも問題がなく高速だ。

 openSUSEはKDE 4.6の導入にあたり、「KOffice」から離れ、デフォルトのオフィススイートとして「LibreOffice」を採用するが、これは賢い考えだ。他のOSの場合、1枚のディスクに収めるために余分なソフトウェアを削ってしまうことが多い中、openSUSEはLibreOfficeを同梱することで、インストールした時点からすぐに使える印象を与えている。

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