Linuxには、恐ろしく多くの種類がある。もちろん、それらのディストリビューションのいくつかは、他のものよりも価値が高い。しかし、UbuntuやFedora、Linux Mint、PCLinuxOS、OpenSUSEやその亜種のほかに、どんなディストリビューションを知っておくべきだろうか。信じられないかも知れないが、知っておく価値のあるディストリビューションは、有名なもの以外にもある。無名のディストリビューションの中にも、見るべきものは数多く存在するのだ。この記事では、読者の生活に何らかのプラス効果を与えるかもしれない、あまり知名度が高くないLinuxディストリビューションを紹介しよう。
1.Damn Vulnerable Linux
Damn Vulnerable Linux(おそろしく脆弱なLinux)は、その名前通りのものだ。公式ウェブサイトには、「Damn Vulnerable Linuxは、あらゆる点で、よいLinuxディストリビューションではない。開発者はこのディストリビューションに、問題のあるソフトウェア、あるいは設定が間違っているソフトウェア、古いソフトウェア、弱点のあるソフトウェアを詰め込み、攻撃に対する脆弱性を持たせている」とある。このようなディストリビューションに、どんな価値があるのだろうか?それは、訓練だ。このディストリビューションは、Linux管理者のトレーニングのために作られている。問題のあるディストリビューションを渡して直させることほど、Linux管理者にとってよい訓練はない。このディストリビューションには古い、あるいは問題のあるバージョンのApache、MySQL、PHP、FTP、SSHが詰め込まれており、十分な訓練ができるはずだ。
2.CAINE Linux
CAINE Linuxは、ニッチなLinuxディストリビューションの中でも、もっとも気の利いたものの1つだろう。CAINEは「Computer Aided INvestigative Environment」(コンピュータ支援捜査環境)の略だ。基本的に、CAINE Linuxはデジタルフォレンジックのために作られたCIS Linuxである。このディストリビューションには、TheSleuthKit、Autopsy Forensic Browser、ステガノグラフィー用ツール、ハードディスク消去用ツールなどが含まれている。このディストリビューションにはまた、デジタルフォレンジック調査の報告書を作成するための、半自動ツールも入っている。
3.Zeroshell
Zeroshellは、組み込みシステム用の、特にネットワーク機器に使うことを目的とした、興味深いLinuxディストリビューションだ。このLinuxはウェブインターフェースから管理するようになっており、LANに必要なすべてのネットワークサービスを提供することができる。Zeroshellがあれば、Failover、RADIUS、Captive Portal、QoS管理、HTTPプロキシ、無線アクセスポイント、ホストLAN間VPS、LAN間VPS、静的あるいは動的IPアドレスによるルーティングなどを提供できる。