「Windows XP」サポート終了に短期間で対処する3つの方策 - (page 3)

Ed Bott (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2013-10-23 07:30

 問題なのがOSのバージョンだけであれば、上手にサンドボックス化した仮想マシン上で問題のアプリを動作させることで、互換性の問題を解決できるはずだ。Windows 8.xのProまたはEnterpriseには、仮想化環境である「Hyper-V」が用意されている。また、Windows 7 ProにはWindows XPモードと「Virtual PC」が含まれており、これには仮想マシン用に追加のXPライセンスが必要ないという利点がある。さらに、Windows 7かLinuxを動かしているPCで、VMwareかVirtual Boxを使うという手もあり得る。

 仮想化ソフトウェアを使う場合、Windows XPを動かす仮想マシンをウェブの閲覧や電子メールに使用できないようにロックした上で、XPでしか使用できないアプリをインストールすべきだ。他の日常的な作業には、最新の、完全にパッチを適用済みのOSを載せた物理マシンを使用し、仮想マシンはそのアプリだけに使うこと。

 企業のネットワークでは、アプリケーションの仮想化やセッションの仮想化によって古いアプリをパッケージ化し、MicrosoftのApp-Vや、CitrixのXenApp、その他の同様のソリューションを使用することで、クライアントPC上の隔離された環境でそれらのアプリを使用する方法もある。

助けを求める

 もし読者の組織が十分に大きいのであれば、アプリの互換性テスト、管理、展開の支援に、組織外の資源を利用することも考えられる。その場合、これを今回の問題を解決するための1度きりの協力関係だと考えるのではなく、同時に将来に備えるためのチャンスだと捉えるべきだろう。

 Dellの戦略コンサルティング専門家であるJefferson Raley氏が、先日私に話してくれたところによれば、組織にとって互換性のテストは大きな問題なのだという。平均的に言って大組織はユーザー1万人につき、700種類のアプリをインストールししている。大企業であれば、1万種類のアプリをインストールし、さらに数千のウェブベースのアプリを使用していることもある。XP問題にはまり込んだ組織を支援するため、Dellは新しく「Windows Migration Fast Forward」サービスを立ち上げた。このサービスを利用すれば、5カ所の事業所にある5000台のPCの移行が16週間でできるという。

 「4月までであれば、まだ間に合う。ただし、同時に環境を整理することを提案したい」と同氏は言う。総合的な互換性テストを行い、展開と管理のための自動化ツールを用いることによって、外部コンサルタントは、どれをそのまま新しい環境に移行し、どれを仮想化し、どれを廃止すべきかを判断しながら、1週間に最大500件のアプリを処理することができる。重要なのは、現在構築しようとしているインフラを、今回の移行だけでなく将来の移行でも使えるようにすることだ。

 時計の針は動いている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]