クラウドコンピューティングミニ用語辞典--知っておくべき用語集

文:Jody Gilbert 翻訳校正:石橋啓一郎

2010-03-26 07:00

 クラウドコンピューティングは、最近のIT業界でもっとも注目を集めている話題の1つであり、Microsoft、Google、Amazonや、その他の大手企業もこの大乱闘に加わっている。しかし、このテクノロジによって、混乱を招きかねない新しい用語も生まれている。この記事では、クラウドコンピューティング関連の一般的な用語とその意味をいくつか説明する。

Advertising-based pricing model(広告に基づく価格決定モデル)

 サービスプロバイダーがサービスと一緒に広告も提供することにより、広告主から得た収入によって、低価格あるいは無料で顧客に提供されるサービスの価格決定モデル。

Amazon EC2

 AmazonのElastic Compute Cloud Webサービスのこと。このサービスは、クラウドの計算資源を、使用できる資源の量を変えることのできる形で提供しており、開発者はアプリケーションの構築において大きな拡張性を得ることができる。

Amazon S3

 Amazon Simple Storage Servicesのこと。Amazonが提供するクラウドストレージサービス。

CDN

 コンテンツ配信ネットワークのこと。データのコピーを持つ複数のコンピュータからなるシステムで、それらのデータはネットワーク上の異なる場所に配置されており、クライアントは自分にもっとも近いコピーにアクセスできるようになっている。

Cloud(クラウド)

 世界的なネットワークを指す比喩表現。もともとは電話網を指すために使われた言葉だが、今ではインターネットを指すものとして使われている。

Cloud broker(クラウドブローカー)

 複数のクラウドサービスプロバイダーと関係を結び、その関係を維持する主体。クラウドブローカーは、クラウドサービスの顧客とクラウドサービスプロバイダーの間をつなぐ役割として振る舞い、それぞれの顧客に最適なプロバイダーを選び、サービスを監視する。

Cloud operating system(クラウドOS)

 プロバイダーのデータセンタで実行され、インターネットやほかのネットワーク越しにユーザーに提供されるように設計されたコンピュータオペレーティングシステム。Windows Azureや、Windows Server 2008上で動く「クラウドレイヤ」はクラウドOSの例だ。この用語は、GoogleのChrome OSなどの、クラウドベースのクライアント用OSを指すのに使われる場合もある。

Cloud Oriented Architecture(クラウド指向アーキテクチャ)

 クラウドの中でアプリケーションがサービスとして振る舞い、クラウド環境のほかのアプリケーションにサービスを提供するアーキテクチャを指す、Amazon Web ServicesのJeff Barr氏が作った用語。

Cloud portability(クラウドポータビリティ)

 あるクラウドプロバイダーから、ほかのプロバイダーにアプリケーションやデータを移すことのできる能力。Vender lock-in(ベンダーロックイン)の項も参照すること。

Cloud provider(クラウドプロバイダー)

 クラウドベースのプラットフォーム、インフラ、アプリケーション、ストレージサービスを、ほかの組織や個人に提供する企業。通常は料金が発生する。

Cloud storage(クラウドストレージ)

 顧客が、第三者によって維持されている遠隔にあるストレージシステムに、インターネットやほかのネットワーク越しにデータを転送し、保存することを可能にするサービス。

Cloudsourcing(クラウドソーシング)

 従来のITサービスを、クラウドサービスで置き換えること。

Cloudstorming(クラウドストーミング)

 複数のクラウドコンピューティング環境に接続すること。

Cloudware(クラウドウェア)

 クラウド内のアプリケーションの作成、配置、実行、管理を可能にするソフトウェアのこと。

Cluster(クラスタ)

 1つのコンピュータであるかのように協調して動作する、互いにリンクしているコンピュータ群。高い可用性や負荷分散の提供を目的とする。

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