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成功するM&A教えます--vol.4:失敗したメガマージャーから学ぶ

文:Geoffrey James
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2007/12/18 12:00

メガマージャーに学ぶ教訓

 ほとんどのM&A活動は比較的小規模な企業によるものであり、主要なビジネス報道媒体には登場しない。対照的にメガマージャーは大々的に報道される。したがって、比較的小規模な案件をまとめる上で参考になる実践的で優れた教材になる。以下に説明する5件の合併事例は、M&A戦略を検討しているすべての企業にとってあらゆる面で豊富な教訓を与えてくれる。

Hewlett-PackardとCompaq

時期: 2001年9月
業種: コンピュータハードウェア
取引規模: 250億ドル

公式の見解:「極めて相補的な2社の企業と製品ファミリーを組み合わせるという明確な戦略的利点に加えて、われわれは大幅なコスト構造の改善と新しい成長機会へのアクセスを通じて実質的な株主価値を創出できる」--Carly Fiorina、Hewlett-Packard(HP)の会長兼最高経営責任者(CEO)、2001年

合併後の経過:この取引はすぐに気まずいものになった。HPは数千人もの旧Compaq社員をレイオフし、その結果生じた内部混乱期にHPの株価は下落して利益もさえないままだった。HPは2種類のブランドのPCを販売し、それらを差別化しようとしたが、長年のライバルであるDellが市場占有率を拡大した。FiorinaがHPを去り、2つの企業がうまく連携して動き出したのはようやく4年後のことだった。幸運なことに、そのころにはDellが若干の弱点を露呈しはじめ、HPがついに世界第1位のPCベンダーに輝いた。

この事例から学べる教訓:自分の頭よりも大きいものを飲み込もうとするな。買収しようとしている企業が自社とほぼ同程度の規模の場合は、新会社の従業員の問題や組織の細かい事柄がうまく決着するまで多大な時間と労力がかかる。合併のプロセスが複雑すぎる場合は、その過程で会社が危機に瀕することがある。

America OnlineとTime Warner

時期: 2000年1月
業種: メディアと娯楽
取引規模: 3500億ドル

公式の見解:「両社の創造的なエネルギーとたぐいまれな経営の才能を組み合わせ、それを活用することによって、われわれは豊富なマルチメディアコンテンツとEコマースの機会を通じて世界中の顧客に比類なきさまざまな双方向サービスを提供することになるだろう」-- Steve Case、America Onlineの会長兼CEO、2000年

合併後の経過:この合併はドットコムバブルのシンボルとなった。AOLの株価は合併前の10分の1未満にまで下落し、派手に宣伝された相乗効果が生まれる気配はみじんもなかった。ユーザーが大挙してAOLを退会すると、AOL部門はビジネスモデルを通常のインターネットに代わる有償ネットサービスから、単なる平凡なウェブポータルに変更せざるを得なかった。

この事例から学べる教訓:派手に宣伝を打ち上げるほど、失敗したときの打撃は大きい。投資家や顧客に、自社の長期的な成功が1回のM&Aの成功で全面的に達成させると思わせてはならない。多くを約束しすぎると失敗する可能性があり、実際に失敗したときには非常に惨めな立場に置かれることになる。この取引を仲介したTime Warnerの元CEOであるGerald Levin氏に尋ねてみるといい。

Daimler-BenzとChrysler

時期: 1998年11月
業種: 自動車
取引規模: 750億ドル

公式の見解:「両社はいずれも世界クラスのブランドを持つ製品群を誇っており、それらは完璧に相補的である。社風も似ているし担っている使命も同じである。両社の財務上、戦略上の強みを組み合わせて相乗効果を実現することによって、将来の市場で理想的な地位を確保できる」--Robert J. Eaton、Chryslerの会長、1998年

合併後の経過:Eaton氏が「社風が似通っている」と述べていたにもかかわらず、両社は決して融合することがなかった。その理由は恐らくChryslerがマスマーケッター(大衆市場対象としたマーケッター)だったのに対し、Daimlerはニッチマーケッター(特定市場を対象としたマーケッター)だったからだろう。さらにドイツとアメリカのビジネス流儀の違いも摩擦の原因となった。相乗効果は結局のところ明確には認められず、期待された規模の経済も決して実現することはなかった。Daimlerは最近、Chrysler部門を投資会社に激安価格で売却した。

この事例から学べる教訓:あわてて合併すると後で後悔することになる。2つの企業の相性がいいかどうか時間をかけて検討しなければならない。両社の社風があまりに違う場合は、それぞれの企業出身の役員どうしが常に対立し、ついにはどちらかの側が完全に疲弊してしまう。しかし、そうなるころにはもはや売却するべき資産は何も残っていないかもしれない。

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