MicrosoftはLive Meshのベールを米国時間4月22日午後9時に取り去った。今週のWeb2.0 Expoで正式デビューする直前のことであった。
(ここから今週後半にMicrosoftがLive Meshの技術プレビューを開始したときにテスターが目にすると期待される、たくさんのスクリーンショットがみられる。)
Live Meshはプラットフォームとサービスを組み合わせた野心的なイニシアティブである。そして今週に入って筆者が話をした同社関係者によると、2年以上かけて作成されたものである。チーフソフトウェアアーキテクトのOzzie氏がその作業部隊にむけた「Internet Services Disruption」メモのなかで描いた非現実的な目標を(Live Meshとは呼ばずに)概説した2005年10月以来、Live Meshの準備が進められていたことを踏まえると、極言すればLive MeshはRay Ozzie氏の「運命を左右する」プロジェクトといえよう。
しかし現実的な話として、Live Meshとは具体的に何であり、それについて開発者や顧客、そしてパートナーは何を知っておく必要があるだろうか?Live Meshの実現に関与したMicrosoftの何人かと雑談したメモから抽出した結果、Live Meshについて筆者の心をとらえた10の事柄は以下のとおりである。
1.定義。あまりに多くの「Software+Services」製品や戦略で普通になりつつあることとして、MicrosoftはLive Meshの簡潔な定義を考案するのが不得手なようだ。(Live Meshに対するレビューをした人のガイドのなかから)筆者が見つけ出して最も近いと思ったのはこれだ:「Live MeshとはMicrosoftの『ソフトウェアプラスサービス』プラットフォームと体験であり、インターネットを通じて相互を認識させることによりPCや他のデバイスが『生還し』、個人や組織がそのファイルやアプリケーションをウェブまたはそのデバイスの世界において、シームレスに管理、アクセス、共有することを可能とするものである。」筆者がLive Meshの定義を担当していたとすれば、こうすると思う:「シンクロナイゼーションとコラボレーションのためのSoftware + Servicesプラットフォーム」。
2.コード名。最近ではMicrosoftの誰かからコード名の確認を引き出すのは厄介な仕事である。しかし2人のMicrosoft関係者に、Live MeshはMicrosoftのWindows Live Core戦略のインスタンス化であると認めさせることに成功した。Microsoftが内部でテストし続けてきたLive Meshビルドのコード名は「Horizon」であったと関係者らは付け加えた。(Live Meshのコンセプトについては言うまでもなく、誰よりも早くこれらのコード名を初めて探し出したLiveSide.Netには脱帽する。)
3.チームメンバー。それではLive Meshの背後にいるのはOzzie氏以外では誰なのか?約100人のチームがLive Meshグループのコアメンバーと考えられると、Service Marketingジェネラルマネージャーを務めるJeff Hansen氏は述べていた。Windows Live CoreとLive Mesh(2番目のポイントで言及されていたとおり)の関係を踏まえると、 Microsoftの大物が多数、Live Meshに一役買っていたようである。Live MeshチームはDavid Treadwell氏が率いるMicrosoftのLive Platform Services部門の一部を成し、そのランクには400人が属するとHanson氏はしている。Live Platform ServicesはOzzie氏が昨年概説していた4つのLiveプラットフォームのうちのひとつである。
4.スローガン。Microsoftの新たな必要条件チェックボックスの全項目がティックされるであろう。Live Meshは開発者に対してオープンにされている(.Netの開発者だけではない)。これはクロスプラットフォームでクロスブラウザになるとMicrosoftは述べている。またHTTP、RSS、REST、ATOM、JSON、FeedSyncなどの標準プロトコルと標準フィードに基づくことになる予定だ。さらにWeb 2.0の良いところがぎっしり詰まっている。連絡先やデバイスに関するFacebook的なニュースフィードや、数多くの「social graph」情報が最初からビルトインされている。
5.内部構造。筆者は大胆にも構造ダイアグラムが大好きである。Microsoft Live Meshのダイアグラムは期待を裏切らなかった。基盤レベルではLive Meshはクラウドのストレッジ、管理、サービス、そして提供、それに他のMicrosoft Liveサービスで利用している計算構造の上に構築されている。さらにLive Meshは、Microsoftが他のLiveサービスで利用しているのと同じアイデンティティ、シンクロ化したストレッジ、そしてコネクティビティサービスを利用している。この「platform」サービス(別名「developer stack」)には新しいMesh Frameworkと、クラウドおよびクライアントソフトウェアの両方のMesh Operating Environment(MOE)ランタイムが含まれている。Microsoftと第三者提供業者によるLive Meshの「体験」はこれらの階層の上に構築される。(これの案内に多くの時間を費やしてくれたLive Development PlatformのグループプログラムマネージャーであるOri Amiga氏に感謝する。)
6.シンク機能はどうなっているのか?Live Meshとはシンクがすべてなのではなかったか?HorizonとLive Meshの当初の説明は、同サービスのオンラインとオフライン、そしてデバイスやフォルダ間のシンクロ機能に集中していた。3月のMicrosoft Mix ‘08では、MicrosoftはLive MeshがあたかもMicrosoftの「Synchronization Framework」とFeedSyncがこのOzzie氏が説明する漠然としたデバイスとソーシャルメッシュの最も重要な要素となるかのように提示されていた。FeedSyncは間違いなくLive Meshの構成要素のひとつであるはずだ(このLive Meshのdeveloper stackを示す構造図で見られるとおり)。そしてシンクロ化したストレッジはこのプラットフォームまたはサービスの主要な構成要素である。Microsoftが現在提供している「FolderShare」「Windows Live SkyDrive」「Office Live Workspace」といった多数の既存のシンクロまたはコラボレーション製品や技術に依存せずに、Live Meshチームはそのプラットフォームをほとんど最初から作り直しているようである。
7.Silverlightはどうなのか?Live MeshチームがわざわざMicrosoftがLive Meshをオープンプラットフォームとしてみており、それがWindowsまたは.Net組を喜ばせるためだけに設計されたのではないことを強調したとしても、Windows Presentation Foundation(WPF)とWindows Presentation Foundation Everywhere(Silverlight)の両方がLive Meshのdeveloper stackの主要素となっている。「Flash」「Cocoa」「JavaScript」などの非Microsoft中心の技術へのサポートもある。しかしLive MeshがMicrosoftの製品であることを踏まえると、SilverlightのアプリケーションとサービスはLive Meshのエンドポイントとしてのほうが、Mac OSXやSafari、LinuxやMozilla用に構築されたアプリケーションやサービスと比べると、外見上も動作上も勝ることになると考えられる。
8.Live Meshイズム。前述のMOE(Mesh Operating Environment)に加え、Live Meshの初期バージョンで作業している開発者にとって重要となる他のMesh中心のコンセプトとしては以下がある:「Mesh Bar」。これはInternet Explorerに付属する「fly-out」であり、利用者のデバイスやフォルダに通知や活動のアップデートを提供する;「Live Remote Desktop」。これはWindows Remote Desktopの延長であり、利用者のメッシュ内の他デバイスに直接アクセスしたりコントロールしたりすることを可能とする;「Live Desktop」。これはユーザーのクラウドストレッジメッシュのビューである;「Mesh Object」。これはフィードまたはフィードを集めたもの(メンバーフィード、ニュースフィード、カスタムフィード)である;「ring」。これは利用者のメッシュ内の全デバイスである。
9.消費者かビジネスか。Live Meshは間違いなくMicrosoftの消費者サービスとしてスタートするだろう。Microsoft関係者は、Live Meshが提供するとユーザーが期待するシナリオをいくつか説明するなかで、ユーザーが事前に指定された連絡先とデバイス間での写真を共有できることについて触れていた。Live Meshは短期的にはPCやウェブブラウザをサポートするであろう。そして時間の経過とともに、Microsoftは同製品がポータブルメディアプレーヤー、ゲーム機、テレビ、プリンタなどの上でも動作することを期待しているようにみえた。Live Meshではユーザーが家庭のPCやパーソナルデバイスを職場のPCとシンクさせることが選択できるようにする予定だ。しかしMicrosoftはまた、さらに幅広いシナリオも視野に入れており、Live MeshはMicrosoftの多様な開発チームや第三者チームによりカスタマイズされ、取扱商品のデータのシンクや共有を可能とすることも考えている。いつかは。
10.タイミング。Microsoftは技術プレビュー(プレベータ)を今週1万人のテスターに公開する予定である。Microsoft Professional Developers Conference(PDC)が10月終りに近づく日までには、MicrosoftはLive Meshサービスをさらに広範なベータテスターに提供できることを望んでいる。同社はまた、PDCが開催される頃に、Live Meshフレームワーク(Mesh FX)が、同社がすでに開発者に提供し始めているWindows Live Developer Platform(「Live Contacts」「Live Mail」「Live Messenger」およびその他の関連API)に対してどのように位置づけられるかについて、さらに詳細な情報を示すことを約束している。また利用者がLive Meshのデータと情報をMicrosoftのデータセンターだけでなく、利用者自身のサーバにも保存することができるようになるか否かについても、PDCの頃に詳細が示されると伝えられている。Hansen氏は、Microsoftは開発者が「そこに戻り、既存アプリケーションをメッシュ可能とする」ような手段を提供すると述べていた。それがどのようなものになるかは(まだ)聞かれない。そしてMicrosoftがいつLive Meshの最終バージョンを一部のまたは全ての利害関係者に提供することを望んでいるかという話もまだ出ていない。
どう思うか?Live Meshはうまくいきそうにみえるか?早い時点で危険信号は出ているか?Live Meshは待つに値すると思うか?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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