Microsoftのチームのすべてが将来について秘密を守ろうとしているわけではない。実際に「SQL Server」データベースチームは、ほかのWindows仲間とはかなり異なる路線をとっている。
SQL Server 2008を製造工程向けリリース(RTM)してからわずか2カ月後であるが、Microsoftはその主力商品であるデータベースの次期リリースに関する詳細を明かし始めている。本製品のコード名は「Kilimanjaro」であり、2010年前半に出荷する予定であるとMicrosoft関係者は述べている。同社によると、最初のKilimanjaroの技術プレビューテストビルドは2009年前半に予定されているという。
MicrosoftはKilimanjaroに関する情報を同社の第2回目の年次会合であるBusiness Intelligence Conferenceにおいて明らかにした。同カンファレンスは米国時間10月6日、シアトルで始まった。
Kilimanjaroでは、Microsoftいわく、IT担当者がさらにうまく「データを切り刻み、独自のBI(ビジネスインテリジェンス)アプリケーションやアセットを作成して共有し、彼らがすでに使用している馴染みある、日常的なMicrosoft Office生産性ツール内でコラボレートする」ためのセルフサービス分析ツール(コード名『Gemini』)を含む予定である。GeminiではSQL Server Analysis Servicesのアップデートに加え、何らかの新しいインメモリコンポーネントと、何らかの「接続機(splicers)」、Excelに基づくアドイン体験、そしてさらに深いSharePointの統合を取り入れ、ユーザーが自身で作成した分析を共有することが可能となると、Microsoft関係者は述べている。
BIカンファレンスにおいて、SQLチームはもうひとつ新しいコード名を発表し、そのレパートリーに加えた:「Project Madison」である。MicrosoftはMadisonをひとつの「ソリューション」であると説明している。その説明からすると、これはどうやらデータウェアハウス製品を意味しているようだ。Madisonは、Microsoftが最近データウェアハウスアプライアンスのベンダーであるDATAllegroを取得した際に購入した技術に基づいたものである。MicrosoftはMadisonを通して、何百テラバイトのデータや何千とうい並列ユーザーにおよぶデータウェアハウスに対するユーザーの作業負荷を緩和することができると約束している。
MicrosoftはMadison Community Technology Preview(CTP)テストビルドを今後12カ月内にリリースする計画である。同社がいつまたはどのような形でMadisonを出荷する予定なのかについては、同社からは何の音沙汰もない。
MicrosoftのBIプラットフォームにはExcelやその他のOfficeアプリケーション、「チームBI」のための「SharePoint Server」、組織全体におよぶBIのための「PerformancePoint(scorecarding)Server」そしてデータプラットフォームのニーズに応じたSQL Serverが含まれている。
SQL Serverチームに対し、なぜKilimanjaroについて公にし始めているのかと質問すると、MicrosoftのBIジェネラルマネージャーを務めるBob Lokken氏は筆者に対し、同氏のチームは顧客に対して将来のロードマップに対する見識を提供することにコミットしているのだと述べた。Lokken氏は、Microsoftが公に、SQL Serverの新リリースを24〜36カ月ごとに提供する計画であることを明らかにしており、パートナーや顧客がどのような方向に進んでいるのかを確実に認識してもらいたいのだと指摘した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ