Microsoftは自社のホスティングサービス「Exchange Online」とビジネスサービススイート(「Business Productivity Online Suite(BPOS)」)の価格を値下げし、差額を既存のホスティングパートナーに返金すると発表した。
Exchange Onlineの価格は、これまでの1ユーザーあたり月額10ドルから、月額5ドルに値下げされる。同時に、BPOSバンドル--「SharePoint Online」「Exchange Online」「Communications Online」「Live Meeting」を含む--も、1ユーザーあたり月額15ドルから月額10ドルに値下げとなる。
「Online Deskless Worker」の価格は据え置きとなり、「Exchange Online Deskless Worker」「SharePoint Online Deskless Worker」は1ユーザーあたり月額2ドルのままだ。両サービスを組み合わせたバンドルも、1ユーザー月額3ドルのままとなっている。
驚きではないが、Microsoft側はこの値下げを「Google Apps」など他社ホスティングサービスとの競合のためとは述べていない。Microsoftは値下げの理由について、「受け入れが世界的にハイピッチで進んでおり、『Exchange Server 2010』などの新製品により効率化が改善された」と述べている(プレスリリースによる)。
Microsoftは2009年内に、新たに15カ国でBPOSの提供を開始する。今週後半には、シンガポールで商用提供を開始するほか、ブラジル、チリ、コロンビア、チェコ、ギリシャ、香港、ハンガリー、イスラエル、マレーシア、メキシコ、ポーランド、プエルトリコ、ルーマニア、台湾でトライアルをスタートする。インドでも年内に提供する計画があるという。
Microsoftの代表者はまた、Onlineサービス製品ファミリの有料版ユーザー数が100万人(同社によると、「Live Meeting」は有料サービス加入者が多く、ここでは含まないという)を上回ったと主張している。新たにBPOSの顧客となった企業としては、ホフストラ大学、Lions Gate Entertainment、McDonald's、Rexel Group、スウェーデン赤十字、Tyco Flow Controlなどがあるという。
Microsoftは2010年、Microsoftがホスティングする有料サービスの「Office Web Apps」(「Word」「Excel」「PowerPoint」「OneNote」のウェブバージョン)をOnlineファミリに加える計画だ。また、有料版Office Web AppsをMicrosoftのボリュームライセンス顧客が自社でオンプレミスでホスティングできるように提供する計画であることも明らかにしている。ボリュームライセンスユーザーは、Microsoftによるホスティングサービスと組み合わせてもよいし、自社ホスティングのみでも利用できるという。有料版には、広告ベースの無料版にはない機能が追加されることになっている(名称はまだ公開されていない)。
MicrosoftのMicrosoft Online担当バイスプレジデント、Ron Markezich氏によると、Onlineサービス製品ファミリは現在、約90日おきに更新されているという。「Exchange 2010」のように、オンプレミスソフトウェアの新機能のいくつかは、サーバベースの製品として顧客に提供される前にホスティング版のOnlineファミリに登場しているという(Exchange 2010の正式版は、来週顧客向け配信が始まる予定だ)。
Microsoftの顧客は今回のホスティングサービスの値下げを歓迎するだろう。だが、Microsoft製品をホスティングするMicrosoftのパートナー企業の心境は複雑だろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ