人材を生かす人事ソフトで市場を抑える
サイエンティアは、人材マネジメント・ソリューションのトップベンダー。もちろん、MIJSが会員資格として掲げる「あるジャンルでTOPシェアを有するかまたはそれに準ずる」企業である。
もともとは、仙台を拠点にする受託開発中心のソフト会社だった。開発力には定評がある。しかし、自社製品を持ちたいという願いに基づき、1990年代初めに人事のソフトを手がけ始める。1993年に戦略人事情報システム「S-PDS」を発表。それが同社の最初の企画商品となった。それをきっかけに、生まれ育った仙台をビジネスの重要拠点としながらも、東京を含めて全国のマーケットに事業を展開することになる。
その後、この人事情報システムは大きな展開を見せた。大学市場への進出だ。大学側から「われわれもこの人事情報システムを利用できないか」という要請があり、その市場もテリトリーに加えた。サイエンティア社長、荒井秀和氏はこう言う。
「当時は大学、特に国公立大学のような国家公務員に特化した人事情報システムがありませんでした。そのため大学側からこのソフトを使えないかという声をいただき、S-PDSを基盤に国公立大学向け人事情報システムとして『U-PDS』を開発、販売しました。1996年のことです。現在、このソフトは大学市場では過半数のシェアを持ち、当社の大きな事業の柱となっています」
一方で、当初の企画商品である戦略人事情報システム「S-PDS」は2000年にひとつの転換期を迎える。ヒューマン・リソース・マネジメントへの展開だ。1993年に発売したS-PDSは、基本的に人事・給与の業務効率化を主眼とするパッケージだったが、その市場で価格競争、機能競争が始まった。ひとたびその市場が脚光を浴びると、後は企業同士のパワーゲームに陥るのは世の常。そこでサイエンティアは路線を大きく変えた。
ITの進化と市場の流れを捉える
「激しい競争の中で、これまでのビジネスは成り立たないと考え、単に人事・給与の効率化ではなく、社員を応援するという視点からソフトを作り替えたのです。管理やいわゆる締め付けということではなく、上司と部下の関係をサポートするシステムとして、ソフトを再構築していったのです」
荒井氏がこう語るソフトが、現在の同社の主力商品「Progress@Site」(プログレス・サイト)である。発売したのは2000年。
「従来のような人事部のためのシステムではなく、従業員のためのシステムというようにソフトを作り替えたのです。そのころ、グローバル化とともに成果主義という考え方が広まってきましたが、それが日本ではうまく機能していないという考えを持っていました。そのため、従業員のスキルをきちんと生かしてノウハウを共有し、そして本来の力を発揮してもらい、ひいては会社が成長することを応援できるプラットフォームが必要だと考えて、この製品を発表したのです」
サイエンティア代表取締役社長の荒井秀和氏
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