明るく光り輝く年の初めには、さまざまなことが実現可能に思える--いや、少なくとも夢を見てみる価値はあるだろう。本記事では、筆者が夢見ている2010年の10大ニュースを紹介する。
年の初めから、2010年はLinuxの年になる、あるいはオープンソースの年になるという主張を述べ立てたいわけではない。われわれオープンソースコミュニティーはこういったことを毎年繰り返し主張しているため、われわれの声に真剣に耳を傾ける気のある人でも、もう十分だと思っていることだろう。そこで筆者は本記事において、2010年中に見てみたいと思う、オープンソースに関するニュースの見出しを紹介することにした。
#1:Linus Torvalds氏がMicrosoftに入社
そう、読んでの通りだ。Linuxの生みの親であるTorvalds氏がMicrosoftに入社し、その本社でLinuxに関する強力なイニシアティブを発揮するところを見せてもらいたい。現実の世界に目を向けた場合、Microsoftは、LinuxやOpenOffice.orgとの競合において貢献できるようなリーダーを募集している。このことから見て、MicrosoftがLinuxに対抗するためのチームを築き上げようとしているのは明白だろう。しかし、Microsoftは誤った方向に向かっている!今年は、2010年代の幕開けとなる年なのだ。だからこそ皆が協力し合うべきだろう。Microsoftには、躊躇することなくTorvalds氏を雇用し、新たな時代に歩み出してもらいたい。
#2:オープンソースが新聞の未来を救う
新聞(そして雑誌)が絶滅の危機に瀕しているという現実を見据えよう。ほとんどの新聞社は、景気の低迷を乗り越えて成長を続けていくことに苦戦している。このため、こういったニュースは歓迎されるはずだ。しかしどうやって?新聞社のウェブサイトをLAMPサーバにシフトし、デスクトップPCのOSをLinuxベースのものに変更すればよいのである。その後は、プリントサーバなどを大々的にシフトすることになる。これによって両者にメリットがもたらされるはずだ。つまり、オープンソース陣営にとっては普及に大きな弾みを付けることができ、新聞社にとってはそれを新たなニュースとして発信し、自らの生き残りにつなげることができるというわけだ。
#3:Linux Standards Base(LSB)における規格策定作業が完了
LSBにおける規格策定作業は2001年6月から行われているが、まだ完了していない。LSBは、Linuxディストリビューション間での互換性を高めるための準拠規格を策定するという目的で設立された。しかし今までのところ、その作業はそれほど進んでいない。とは言うものの、Linuxディストリビューションと一口に言ってもさまざまである状況において、こういった規格の策定作業をスムーズに進める方法などあるだろうか?もしもこの項目で挙げたようなニュースが紙面を飾ったのであれば、Linux OSは大衆に受け入れられるための大きな障害、すなわち標準化の壁をついに乗り越えたということになるだろう。