ある種の過ちは、クライアントにまで迷惑をかけてしまう問題に発展すると相場が決まっている。こういった過ちをおかすことがないように注意してほしい。
過ち--それは、われわれの誰もがおかしてしまうものだ。そして、そういった過ちの中には、「あちゃー!」と言って、ちょっとしたバツの悪い思いをするだけで済むようなものもある。しかし、クライアントの機嫌を損ねるような、あるいはさらに深刻な場合にはクライアントを失ってしまうような過ちもある。こういった過ちの多くは、注意すべきツボを押さえておけば避けることができるのである。本記事では、現場で避けるべき過ちを10個挙げている。こういった過ちを避けることで、自らの威厳を--そしてクライアントを失わないでいることができるだろう。
#1:深く考えることなくアップデートを適用する
Windows XPにSP3を適用(IE 8へのアップグレードも含めて)した後で、クライアントの業務に必要な機能が該当アップグレードによって失われているということが(障害の発生によって)判明したという経験はないだろうか?筆者はこういったことを何度も見聞きしている。IE 8は、現在正常に動作しているシステムに思わぬ悪影響を及ぼしてしまうことで有名である。このためアップグレードに先立って、あなたのクライアントが業務で使用している重要度の高いサイトを把握し、IE 8でもそういったサイトの利用が可能であるということを確認しておくべきである。
#2:バックアップを取得せずに設定ファイルを編集する
この過ちは、Linuxサーバの環境を別のサーバに移行する際におかした場合には特に、深刻な状況を引き起こすおそれがある。バックアップの内容を確認し、現在使用している設定ファイルがどれかを把握しておく必要がある。また、こういったファイルが(そしてファイル名も)ごちゃごちゃにならないようにしておく必要もある。このため、適切なバックアップファイルの場所をしっかり管理できるよう、バックアップした設定ファイルをコピーし、そのファイル名を変更しておく癖を付けておくようにしよう。
#3:無効化していたファイアウォールの有効化を忘れる
あなたもこの過ちをおかしたことがあるかもしれない。ネットワークの動作や機能にかかわる問題の原因を特定するために1つずつ可能性を消し込んでいく際、ファイアウォールを無効化することもあるだろう。そして、(問題の原因を特定できたという)喜びのあまりに、ファイアウォールの有効化を忘れてしまうわけだ。これは失策と言えるだろう。現場を離れる前に、ファイアウォールが動作しており、マシンが安全な状態にあるということを確認するようにすべきである。
#4:ドキュメントを残さない
あなたは何人のクライアントを抱えているだろうか?もしも1人でもクライアントを抱えているのであれば、クライアントに関するドキュメントを残しておくべきである。システム環境を把握するためにさまざまな箇所を調べて回るというのは時間の無駄だ。パスワードを控えておく(自らの法的責任を回避するために、パスワードの管理を顧客に委ねるという場合は除く)だけではなく、ネットワークアドレスやマシン名、機能なども記録しておくべきである。その内容は詳しいほどよい。