思った通りには事が運ばないこともある。望んでいた昇進が、ほかの同僚のものになった。当てにしていた契約が延期になった。重要なプレゼンテーションで、大きな問題が起きた。
すべての人が挫折を経験する。しかし、それをどう乗り越えるかで、キャリアやほかの人の評価が変わる可能性がある。この記事では、何かまずいことが起こったときでも、生き残るためのヒントを紹介する。
1.立ち止まってよく思案する
これが世界の終わりだと思うこともあるかも知れないが、世界は終わっていない。起きてしまったことに動揺して感情的になるよりも、手を止めてみるといい。何が起こったかをよく思案して、この事態にどう適応していくかを考え始めるのだ。立ち止まって思案する時間をとれば、状況にもより上手に対処することができるだろう。
2.腹心の友を見つける
あなたの心配や対応について話し合える人がいれば、助けになるだろう。その人にできることがないとしても、ただ話を聞いてもらうだけで、精神状態は落ち着く。ただし、「持ちつ持たれつ」という言葉を忘れてはならない。その人が問題を抱えているときには、あなたはお返しをすることができるだろうし、おそらくそうすべきだろう。ただ単に説教をしたり、罪悪感をかき立てたりする友人は避けた方がいい。確かに、違うやり方をすべきだったのかも知れない。しかし今は、そういうことをくよくよ考える時ではない。
3.楽観的になる
「靴がないとぶつぶつと不平を言っていたが、それも足のない男に出会うまでのことだった。」(訳注:インドの格言)
物事のプラスの面を見ることは、難しい場合もある。しかし、ことわざにあるように、物事はもっと悪くなることもあり得たのだ。ある契約が取れなくても、ほかにも取れそうな契約はあるのではないだろうか。プレゼンテーションには問題があっても、うまくいった部分もあるのではないだろうか。よかった探しをするポリアンナのようになれとか、現実から逃避しろと言っているわけではない。しかし、残っているチャンスやうまく行ったところに集中することは、失ったものやうまく行かなかったことに囚われるよりも、精神衛生にはずっといい。
4.過去よりも未来に集中する
「後ろのものを忘れ、前のものに全身を向けつつ、・・・目標を目指してひたすら走ることです」(訳注:フィリピの信徒への手紙 3章13、14節)
「過去のことを忘れるものは、それを繰り返す運命にある」
これら2つの格言は、互いに矛盾しているわけではない。過去の出来事を反省することは重要だ。間違いから挫折に到ったとき、その事実を理解することは、再び同じ間違いを犯す可能性を小さくするために大切なことだ。しかし、過去を反省することは、過去の過ちについて自分を責めることとは違う。「あのとき、もし」という考え方をすることは、それで罪悪感にはまり込んでしまうようであれば、役には立たないだろう。
5.経験から学ぶ
経験から学ぶことは大切だ。しかし、自己批判から抜け出せずにいる状態では、それは難しい。可能なら、状況を第三者の視点から見るよう心がけるべきだ。「私はここから何を学べるだろうか」と言うのではなく、「客観的な観察者なら、ここから何を学ぶだろうか」「この人(つまりあなたのことだ)のしたことは、どういう部分は効果的だっただろうか。ほかにどういうやり方があっただろうか」と問うのがいいだろう。このアプローチによって、罪悪感にはまり込んでしまう危険を小さくすることができる。問題について結論を得ることができれば、何か建設的なことを始められるだろう。