ユーザーに優しいソフトウェアの条件とは--満たすべき10箇条を紹介

文:Jack Wallen(Special to TechRepublic) 翻訳校正:石橋啓一郎

2010-09-27 08:00

 筆者は最近、ユーザーの使いやすさ(特にLinuxに関するユーザーの使いやすさ)の問題について、何人かの読者の神経を逆なでしてしまったようだ。もちろん、この議論はLinuxだけに限った問題ではない。ユーザーの使いやすさの議論は、あらゆるOS、エンドユーザーアプリケーション、社内の専用アプリケーション、その他さまざまなソフトウェアに適用できるものだ。

 しかし、アプリケーションはどうすれば使いやすくなるのだろうか。この記事では、自分で使うものだけでなく、あなたがエンドユーザーに対して提供するソフトウェアが満たすべき、10の条件を挙げる。

1.インストールしやすい

 このことは、OSからブラウザのプラグインにまで、すべてに当てはまる。インストール作業はユーザーと初めて触れる機会であり、分かりやすい手順であるべきだ。さもなければ、ユーザーはツールを使い始める頃には疲れ切ってしまっているだろう。OSであれ、独立したユーザーアプリケーションであれ、インストール手順は簡単で、詳しく説明されているべきだ。インストール手順が複雑だと、ユーザーはそのツールを見捨てて、他のもっと簡単なものに移ってしまうだろう。

2.アップデートしやすい

 インストール作業と同じように、アプリケーションのアップデート作業も簡単であるべきだ。アップデートの手順が難しければ、ユーザーはその手間を省いてしまう可能性が高い。多くのアップデートは、セキュリティホールやメモリリーク、その他の問題を修正するもので、アップデートを無視されると悪い結果を生む場合が多い。ユーザーにソフトウェア制作者の重労働の成果から恩恵を受け続けてもらうためには、アップデート作業は十分に簡単なものでなくてはならない。ユーザーがアップデートを行わないと、問題にさらされ、ソフトウェアはより信頼できず、安全でない(また、新しい機能も利用できない)ものになっていってしまう。

3.直感的

 ソフトウェアのよさは、GUIのよさ以上のものにはならない。GUIが不十分で、うまく動かなければ、ユーザーもその製品をうまく使えない。上手に設計されたGUIは、その基盤となる構造が使いやすいものでなくとも(あるいはコーディングが貧弱でも)、それを乗り越えることができる。しかし、優秀なGUIに頼りすぎてはならない。ソフトウェアは、期待した通りに動かなくはならないのだ。

4.効率的

 ソフトウェアは期待した通りに動くだけでなく、効率的でなくてはならない。ソフトウェアは特定のアーキテクチャに最適化されているべきであり、すべてのメモリリークはふさがれ、基盤となる構造やサブシステムとシームレスに協調していなくてはならない。またユーザーの観点から見れば、ソフトウェアが効率的だということは、ユーザーの仕事を片付ける役に立つということだ。ソフトウェアは作業を妨げてはならないし、ユーザーに余計な障害を与えてはならない。ソフトウェアの効率性は、直感的に使えるかどうかと密接に結びついている。MicrosoftがOfficeのインターフェースに加えた変更が、その好例だろう。標準インターフェースをリボンに変更したことによって、エンドユーザーはどの機能がどこにあるかを把握するだけのために、貴重な作業時間を無駄にした。これは、非効率な(そして非効率に実行された)設計上の選択だったと言える。

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