クラップウェアとは、ユーザーが求めておらず、欲しがってもいないのにコンピュータにインストールされているソフトウェアのことだ。いくつかその例を挙げてみよう。
- 特定の店舗やブランド用ユーティリティ
- お試し版ソフトウェア
- ツールバー
- ISP接続ユーティリティ
- 使用期限が限られているアンチウイルスソフト
そもそも、なぜクラップウェアが入っているのだろうか。それはPCメーカーにとって大きな収入になるからだ。ソフトウェアベンダーは、OEM製品にお試し版ソフトウェアを載せ、ユーザーの前に置くために、大金を支払っている。
煩わしいだけではないクラップウェア
さらに悪いことに、クラップウェアは実害を与えることがある。わたしの友人が、SSDドライブを積んだハイエンドノートPCを購入した。購入してみると、ディスクをデフラグするユーティリティがインストールされており、デフォルトで有効になっていた。PCを作っている会社は、SSDはデフラグしないということを知らないのだろうかとわたしは思った。デフラグはSSDの寿命を縮めるのだ。
クラップウェアの問題には、以下のようなものがある。
- 通常は、機能が完全ではないか、利用期間が限られている。
- クラップウェアには、インストール用メディアが付いていない。
- ツールバーなどのクラップウェアは、特定の広告主の都合に合わせて、ブラウザやアプリケーションのデフォルト設定を変更する。
- 一部のプレインストールソフトウェア(マルウェア対策ソフトを念頭に置いている)は、OSが提供している標準的な手段ではアンインストールが難しい。
特に煩わしい、別の種類のクラップウェアもある。余計なアプリケーションを入れずに、プリンタやその他の外部デバイスをインストールするのは大変だ。これは、アップデートにも同じことが言える。
クラップウェアに対してできること
大抵の場合、これはMicrosoftのOSを使っているコンピュータ以外には関係のない話だ。わたしは、他のOSを使っているシステムで、クラップウェアを見たことはない。では、この状況を改善するために何ができるのかを見ていくことにしよう。
1.クラップウェアのないコンピュータを使う
MicrosoftはAppleからヒントを得て、クラップウェアを持たないコンピュータを販売している。同社は15のアプリケーションを削除した。MicrosoftのSignature Labでディレクターを務めるKen Fowles氏は、この動画でSignature PCには何が載っており、何が載っていないかを説明している。
一部のPCメーカーは、クラップウェアのないコンピュータ(DellのVostro系列がそうだ)や、お試し版ソフトウェアのインストールされていないものを購入する選択肢(通常は高くなる)を提供している。詳しいことについては、購入前に詳しく自分でチェックする必要があるだろう。
積極的にクラップウェアのないコンピュータを購入するのもいいが、受け身にならざるを得ない場合もある。前述の通り、ソフトウェアベンダーはクラップウェアに入れ込んでいる。例えば最近のプリンタ用ソフトウェアは、単なるドライバではない。このため、われわれは欲しいソフトウェアに相乗りしてくる不要なソフトウェアを取り除く方法を探す必要がある。幸運なことに、クラップウェアの削除に活躍してくれる無料アプリケーションがいくつかある。ここではそれらをいくつか紹介するので、自分に合ったものを選ぶといいだろう。
2.Autoruns for Windows(Mark Russinovich氏とBryce Cogswell氏による)
大抵の場合、クラップウェアはWindowsの読み込み時に起動するように設定されている。ソフトウェア開発者は、自分たちの製品をできる限り露出させたいと思っているからだ。Autoruns for Windows(図A)は、システムのブート時に起動するすべてのプログラムを表示してくれる、便利なアプリケーションだ。このソフトは、スタートアップフォルダや、Run、RunOnceなどのレジストリキーを調べる。またAutoruns for Windowsは、Windowsがそれらのプログラムを処理する方法に応じて分類してくれるのだが、これはそのプログラムの重要度を判断するのに役立つ。後は、どれを残すべきかを判断するだけだ。
Autoruns for Windowsのウェブサイトでは、Hide Signed Microsoft Entries(Microsoftの署名があるエントリを隠す)オプションを選択することを推奨している。こうしておけば、サードパーティのアプリケーションだけに集中することができる。
図A