Adobeは同社のAdobe Reader/Acrobat製品ラインに対する、年4回の定期的なアップデートの1回目を公開した。13件の明文化されたセキュリティ上の脆弱性を修正する、巨大パッチとなった。
今回のパッチ群では、Adobe Reader 9.1.1およびAcrobat 9.1.1以前のバージョンに存在する「クリティカルな脆弱性」を修正している。Adobeは勧告の中で、「これらの脆弱性はアプリケーションのクラッシュを引き起こし、影響を受けるシステムが攻撃者に制御されてしまう可能性がある」と警告している。
同社はまた、明文化されていないいくつかのセキュリティ上の問題についても、情報を公開せずに修正したことを認めている。
今回のアップデートの詳細は、次のようなものだ。
- このアップデートでは、コードの実行につながる可能性のある、スタックオーバーフローの脆弱性を修正している(CVE-2009-1855)。
- このアップデートでは、サービス妨害(DoS)につながる可能性のある、整数オーバーフローの問題を解決している。任意のコードの実行が可能であることは示されていないが、実行できる可能性がある(CVE-2009-1856)。
- このアップデートでは、サービス妨害(DoS)につながる可能性のある、メモリ破壊の問題を修正している。任意のコードの実行が可能であることは示されていないが、実行できる可能性がある(CVE-2009-1857)。
- このアップデートでは、コードの実行につながる可能性のある、JBIG2フィルタに存在するメモリ破壊の脆弱性を修正している(CVE-2009-1858)。
- このアップデートでは、コードの実行につながる可能性のある、メモリ破壊の脆弱性を修正している(CVE-2009-1859)。
- このアップデートでは、サービス妨害(DoS)につながる可能性のある、JBIG2フィルタに存在するメモリ破壊の脆弱性を修正している。任意のコードの実行が可能であることは示されていないが、実行できる可能性がある(CVE-2009-0198)。
- このアップデートでは、コードの実行につながる可能性のある、JBIG2フィルタに存在する複数のヒーブオーバーフローの脆弱性を修正している(CVE-2009-0509、CVE-2009-0510、CVE-2009-0511、CVE-2009-0512、CVE-2009-0888、CVE-2009-0889)。
- このアップデートでは、コードの実行につながる可能性のある、複数のヒープオーバーフローの脆弱性を修正している(CVE-2009-1861)。
今回のパッチは、WindowsユーザーとMacユーザーにのみ提供されるものだ。同社は、UNIXプラットフォームのAdobe Readerに対するアップデートは、2009年6月16日に提供される予定だと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ