富士通が反論している。
同社が2010年度の目標に掲げていた「年間50万台」のx86サーバの出荷計画を、1年先送りにするという一部報道に対して「そうした事実はない」というのだ。
富士通が掲げている計画は意欲的だ。2008年におけるx86サーバの世界販売シェアは4%で第4位。これを2010年に年間50万台、シェア7%に拡大し、さらにその後、10%以上のシェア獲得を目論むというものだ。また、日本においては、2008年に14%で第4位のシェアを、2010年には30%以上に引き上げるという。出荷台数では、世界では2008年実績の27万台から1.9倍に、日本では同じく8万台からは2.5倍にという強気な計画なのだ。
富士通では、「世界的にITサーバ市場が減速しているのは事実だが、2010年度の海外50万台、国内20万台という目標の旗は降ろさない」とする。
4月1日から社長に就任する山本正己氏も、今年1月の社長就任発表直後、「50万台の出荷計画は必ずやり遂げる」と明言しており、この目標は新社長体制での最初のバロメータとなる。
米IDCが発表した2009年の世界のサーバ出荷実績は、前年比18.6%減の660万台となっており、市場全体が縮小している。また、日本においても、IDC Japanが発表した国内サーバ市場実績は、金額ベースで前年比19.2%減の4807億円、出荷台数は前年比14.4%減の51万7000台と大幅な縮小状況にある。しかし、こうしたなかでも、富士通はこの目標達成に意欲を見せている。
富士通が強気の姿勢を崩さない背景には、いくつかの理由がある。
ひとつは、市場全体がマイナス成長のなかでも、富士通のサーバ出荷台数は着実に増加している点だ。