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Voice 2.0とは何か--そして、それはあなたにとって役立つものなのか?

文:Deb Shinder
翻訳校正:吉井美有
2007/09/04 08:00

 最近のIT業界で流行語を生み出したければ、既知のテクノロジを何か選んでそれに「2.0」という語をつけるだけでよいようだ。Tim O'Reilly氏によって生み出された「Web 2.0」という言葉はその中でも最もよく知られた例である。この言葉は、ウェブをベースとしたいわゆる第2世代のアプリケーションやサービスに関連したものを表している。

 こうやって生み出されたWeb 2.0が人気を集めるにつれて、「2.0」というコンセプトを適用したテクノロジ群がIT業界に新たに出現したのは自然な流れだった(数年前に人気を集めた「ネクストジェネレーション」のようなものだ)。そして、従来からある単純な「VoIP」よりもエキサイティングな響きを持つ「Voice 2.0」が登場したというわけだ。

 しかし、Voice 2.0とは実際どういうものなのだろうか。IT業界のたいていの用語と同じように、その答えは質問を投げかける相手によって違ってくる。

VoIPを格好良く言い換えただけなのか?

 2006年12月、Paul Kretkowski氏はこの質問に対する答えをVoIP Newsウェブサイト上で模索した。同氏の出した結論は、Voice 2.0とは「IPを介して音声やデータ、ビデオ、インスタントメッセージをいつでもどこからでも送信可能にするためのテクノロジや概念を大まかに定義した集合体の総称」というものだ。

 これはVoIP自体の定義のように聞こえるのではないだろうか?答えはイエスでもあり、ノーでもある。Kretkowski氏による定義は、電話による通話よりも格段に多くのものを含んでいる。事実、この定義は人気を集めているもう1つの流行語「ユニファイドコミュニケーション」の定義とよく似ている。

コンバージェンスが進む世界における電話

 「コンバージェンス」(これも同じような流行語だ!)が今後の方向性であることはほぼ間違いない。ユーザーは、職場でワークステーションの前に座っていようと、自宅でデスクトップPCを使っていようと、ホテルの部屋や空港でノートブックPCを使っていようと、タクシーの後部座席でモバイル端末を操作していようと、そんなことには左右されずに、電話のメッセージや電子メール、テキストメッセージ、ファクスといったコミュニケーションすべてに対して、1つのインターフェースから迅速かつ容易にアクセスすることを望んでいる。

 したがって、コンバージェンスはVoice 2.0における重要な要素である。コンバージェンスの様式には複数あり、最も期待されているものの1つとしてFMC(Fixed Mobile Convergence:固定電話と携帯電話の融合)がある。FMCの最終的な目標は、固定電話やVoIP、携帯電話サービスを完全に融合させることである。

 この目標が達成されることを待ち望んでいる人の数は多く、わたしもそのひとりだ。わたしは現在、固定電話としてAT&T、VoIPとしてLingo、携帯電話としてVerizon Wirelessという3つの異なる電話サービスを利用している。これによって、障害の発生に備えた冗長性を確保できているものの、統合性には欠けている。

 1つの電話番号で、こういったテクノロジの中から都度最も適切かつ費用対効果の高いものを選んで使えるようになれば素晴らしいのではないだろうか。それは例えば、自宅にいる時には固定電話サービスであるかもしれない。そして移動中であれば、その番号に電話がかかってくると携帯電話が鳴り、IEEE 802.11ネットワークを利用できるエリアにいればVoIPを使い、そうでなければより高価な携帯電話サービスに切り替えるといった具合だ。

VoIPと従来の電話との争いの終焉

 こういったコンバージェンスが実現すれば、VoIPと従来の電話が対立するこれまでの状況が変わってくる。これらはもはや競合関係にはなくなり、より優れた総合的なコミュニケーション体験をユーザーに提供するべく連携するようになる。

 VoIP Newsウェブサイトに2007年8月初めに掲載されたRobert Poe氏の記事によると、Voice 2.0の最大のメリットは、自分の電話番号を1つ持ち、利用したいサービスやプロバイダーのタイプにかかわらずその番号を使えるようになることだ。そうなれば、電話番号の変更に伴うわずらわしさを避けるために同じ電話会社に縛られなくても済む。これは、(場合によっては)現在でも利用可能な番号ポータビリティよりもはるかに進んだものである。

実際に利用されているVoice 2.0

 Voice 2.0は将来的に実現されるであろう素晴らしいアイデア(または理想)に過ぎないというのは間違いであり、現在すでに利用されている。最も話題になっているVoice 2.0サービスとして、2007年7月にGoogleによって買収されたGrandCentralがある。

 GrandCentralの仕組みは次のとおりだ。あなたの使っている電話番号(自宅、職場、携帯電話)のどれにも、あるいはすべてにも電話をかけることのできる電話番号が1つ割り振られる。これを使うと、電話がかかってきた際にはどの電話につなぐのかを発信元に応じてコントロールできるのだ。そのため、例えばメアリーおばさんから電話がかかってきた場合に、自宅の電話は鳴らしたいけれど職場の電話は鳴らしたくないという要望を実現できる。

 また、電話に出る前にかかってきた電話を選別し、相手の言っていることを聞くことも可能である。これは発信者番号表示以上の機能であり、従来からある留守番電話のメリットを再び手にすることができるようになる。つまり、録音中のボイスメールを聞いたうえで、その相手と話したいかどうかによって電話に出る(あるいは出ないようにする)ことができるのだ。

 ボイスメールサービスに切り替えたことで使えなくなった留守番電話の機能の1つとして多くのユーザーが残念に感じていることに、通話の録音機能があった(録音が開始される際には、電話をかけた方にもかけられた方にもそれが通知される)。GrandCentralのサービスでは、通話を録音したうえで、それを自分の電子メールアドレスに送信し、好きな期間だけ保存しておくことができる。

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筆者Debra Littlejohn Shinderについて

Windows Server SecurityのMicrosoft Most Valuable Professional(MVP)として、多数の書籍や技術文書などの執筆、編集作業に力を入れながら、テクノロジーコンサルタント、トレーナーとしても活動する。警察官、警察学校のインストラクターとして活躍した経験を持つ。専門はMicrosoft製品とセキュリティ。

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