オペレータによる監視をTopaz導入で自動化
ASPは直ちに対応をした。ISP接続回線を増強したほか、ユーザーが体感するレスポンスを測定するため、協力会社にシステムの監視を依頼した。
だが数カ月を経て、監視体制の問題点が浮かび上がってきた。協力会社による監視は、オペレータによる目視が中心の、いわば「人海戦術」だった。コストが高いうえ、正確なデータが入手できなかった。また、障害検知の間隔の短縮にも限界があった。これでは、仮に障害が起こっても、対応までに時間がかかっていた。当然、その間のビジネス損失は甚大になる。
「エンドユーザーの目は、年々厳しくなっています。数年前までエンドユーザーは、クリックしてから3秒程度は待ってくれましたが、回線速度やPCスペックの向上により、現在は1秒程度まで縮まっています。ピーク時にレスポンスが悪化すると、クリック数が増えてアクセス件数は倍以上になるし、仮に障害が発生するとピーク以上のアクセスが押し寄せます」(青木氏)と話す。
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そこで、2003年夏に、アプリケーション監視を自動化するツールの導入検討を開始。2つのツールを比べた結果、最終的にマーキュリー・インタラクティブの「Topaz」を導入することになった。
Topazを採用した理由について、ASPの基盤ソリューション部第一チームの斗(※)木裕樹氏は以下の3点を挙げる。
- SSLに対応
- セッション情報の保持が可能:他社製品は各画面単位での監視しかできなかったが、Topazは画面にまたがった監視やレスポンス測定が可能だった
- サーバーリソースの分析:サーバーリソースを取得する際、エージェントのインストールが不要なため、サーバー側の設定なしに詳細な分析が可能だった
また同社では、以前からマーキュリー・インタラクティブのアプリケーション負荷テストツール「LoadRunner」を利用していた。「最も手間がかかる部分が監視スクリプトの作成です。ユーザーが体感するレスポンスを詳細に測ろうとする複雑化し、コンテンツ改修の頻度が高いほど運用負担が増えます。LoadRunnerでスクリプト作成のノウハウがあったので、短期間で作成できる目途が立ちました」(斗(※)木氏)と言う。
導入プロジェクトがわずか3週間でカットオーバー
Topaz導入プロジェクトは、2003年7月にスタート。スクリプト作成期間が短く、既存システムへの変更がほとんどなかったことから、わずか3週間でカットオーバーできた。導入に際し、エンドユーザーが体感するレスポンスを測定するため、Topazの接続環境として新たにADSL回線を導入した。
サーバーOSは、マイクロソフトの「Windows2000 Server SP3」をTopazサーバーに、「Windows2000 Professional SP3」をTopazエージェントに配した。DBは「Oracle8.1.7」だ。システム構成は図1のとおり。

監視項目は、ANA SKY WEBのトップページや会員専用ページ、国際線・国内線トップ、運賃照会、運行状況など6項目だ。
運用方式は、大きく「監視作業」と「分析作業」に分かれる(図2参照)。監視作業では、Topazがエラーを検知すると、自動で通知コマンドを実行し、システム管理サーバーにエラーを通知する。オペレーターがこのサーバーからエラーを検知すると、担当者に連絡して復旧作業へつなげる。一方の分析作業では、デイリーでレポートが自動生成され、担当者にメール送信される仕組みだ。

Topazの導入効果は明らかだ。監視間隔を1分にまで短縮できたうえ、テキストチェック機能によりページ表示の不具合を自動検知可能となった。障害情報を一元管理するDBを設置したことで、障害時にサービスへの影響範囲や度合いも把握できる。
最大の導入効果は、外部ネットワークを含めた監視ができる点だという。ANA SKY WEBは外部のCDNを利用している。従来CDNは監視対象外で、障害時の状況を把握しづらかった。Topazの導入により、CDNを経由してWebサーバーにアクセスする経路と、直接Webサーバーへアクセスする経路の2つのルートから監視を実行。障害が起こると、この結果を比較することで、原因がASP側で管理しているサーバー側にあるのか、それともCDN側にあるのかを切り分けて把握できるようになった。
実際、2004年5月に、CDNサービスで障害が起こった際、ANAのHPが一時的に閲覧できなくなった。ASPはTopazの監視状況から、障害原因がCDNだと瞬時に切り分けることができたという。
「HPのユーザビリティについても、常にエンドユーザーの視点で捉えなければなりません。使いやすさを提供することが、今後は他社との差別化のポイントになってきます」(青木氏)という。今後は、Topazの監視対象を、ANA SKY WEBから、ANAグループ会社が運営するツアー販売やインターネットショッピングに拡大していく方針だ。
※「木へん」に「斗」で「ななめ」
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