Citrix Systemsが5月12日、Synergy 2010カンファレンスにおいてクライアント向け仮想化ソフト「XenClient」を発表した。「クライアント仮想化」とはいかなるものなのか――本連載では4回に渡り、XenClientの導入手順や機能について説明していく。
「ホスト型」と「ベアメタル型」
ひとくちに「仮想化」と言ってもさまざまな手法が存在するが、その中で「仮想的なPCハードウェアを構築し、1台のハードウェアで複数のOSを動かす」方式の仮想化ソフトは「ホスト型(Type-2 ハイパーバイザー)」と「ベアメタル型(Type-1 ハイパーバイザー)」の2つに大別される。
ホスト型の仮想化ソフトはホストOS上のアプリケーションとして仮想化ソフトを動かすもので、MicrosoftのVirtual PCやVMwareのVMware Workstationなどの製品がこの方式を採用している。Windows 7のXPモードのように「ホストOSをメインの作業に使いつつ、ゲストOSを補助に使う」といった運用に向いているが、ホストOSにかかる負荷が大きい、ホストOSがクラッシュするとゲストOSも停止してしまうなど、パフォーマンスや安定性の面で不利な点がある。
一方、ベアメタル型は仮想化ソフトがハードウェア上で直接動作するもので、単に「ハイパーバイザー」と呼ぶ場合はこちらを指すことが多い。ホストOSが不要なためにパフォーマンスやセキュリティなどの面で有利とされ、主にCitrix SystemsのXenServer、MicrosoftのHyper-V、VMwareのVMware ESXといったサーバ向けの仮想化ソフトで採用されている。