「どの企業に就職すればいいのか」
こうしたスクールの場合、講座の中身は身に付いたが、そこで得たスキルが実生活での収入に結びつかないのでは、その存在意義を問われることになりかねない。リナックスアカデミーでは、受講生に対する就職支援活動もきちんと展開している。IT業界での動向や企業の現場がどうなっているのかなどの説明会が開催されるとともに、キャリアカウンセラーが受講生に個別にカウンセリングしている。
興味深いのは、このカウンセリングは、どうすれば希望の企業から内定を取れるかというよりも、「内定がたくさん取れたが、どの企業に就職すればいいのか困っているという相談が多い」(同氏)というものであることだ。毎年およそ200社、これまでの累計で600社弱の企業が、同校に求人票を送ってきている。
COBOLからLinux/OSSへ
企業に即戦力となりうる技術者を提供してきているリナックスアカデミーだが、同校では、個人に対する講座とは別に、企業向けにLinux/OSSの研修も提供している。企業向けは、3年前から提供を始めているが、その件数は急増しているという。
開始当初は、製品やサービスを提供するITベンダーや通信企業向けに研修を行い、なかには、数百人単位での研修も行ったという。
「ITベンダーや通信企業の現場では、たとえばですが、これまでCOBOLしかやってこなかった技術者をLinux/OSSの分野で活用したいという、スキルチェンジを計画していたわけです。そうした企業側の狙いが成功しているために、最近は、ITベンダーや通信といった企業への研修は落ち着きを見せていますね」
そうした企業の動きが落ち着くのとは逆に、ユーザー系企業に手応えを感じていると濱野氏は語っている。「ITを道具として利用している企業、IT基盤の上でコンテンツを売り物にしている企業では、現場の技術者に対して、“LAMPを勉強してきて、自社のネットサービスの活力を高めたい”という狙いがあります」。
企業向けの研修では、企業ならではのニーズが存在している。SIベンダーの場合であれば、Linuxカーネルが障害を起こしたときに、そのダンプ解析をどうやって進めればいいのかというトラブルシューティングに関する情報を教えてほしいという要望がある。
また、ユーザー企業であれば、Linuxを基盤にしたシステムは、どのように管理していけばいいのかを知りたがっているという。どちらも、Linux/OSSがどういったものであるのかという知識よりも、活用するうえでのノウハウを学ぼうとしていると、濱野氏は見ている。
何がスタンダードなのか?
濱野氏は、この数年間でLinux/OSSを学ぶ個人、活用する企業のどちらも見てきているわけだが、そうした濱野氏から見て、今後のIT教育はどのようにあるべきなのだろうか。
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