横山哲也の戦略

  • 横山哲也
    横山哲也 (グローバルナレッジネットワーク株式会社 取締役技術担当)

    VHDは仮想マシンのオマケ?否、主役になる可能性がある

    仮想マシンの検証がタイヘンなわけ

     私はいくつかの媒体に技術記事を寄稿しているが、仮想マシンの検証にはずいぶん苦労する。ほとんどの機能は「Virtual PC」などの仮想マシンを使って検証を行うのだが、「Hyper-V」を含めた仮想マシンの検証だけは、仮想マシンではできないからだ。

     会社のPCはHyper-V対応ではない。自宅のPCはHyper-Vに対応しているが、OSはWindows Vistaだ。そもそもサーバをデスクトップマシンとして利用すると使い勝手が悪いし、私は一般使用のためのライセンスを持っていない(評価版でメールやウェブブラウズするのはまずいだろう)。そこで、会社からHyper-V対応のノートPCを借りるのだが、ノートPCのディスクは低速なことが多く性能が出ない。Hyper-V対応のデスクトップPCは余っていない。

    専用パーティションの割り当てに骨を折る

     やむを得ず、自宅のPCをWindows Server 2008とのデュアルブート構成にしてみた。しかし、専用のパーティションを割り当てるのは面倒だ。トリプルブート構成なんて想像もしたくない。OSごとにパーティションを切る場合、余裕を見て数十GBの領域が欲しいところだが、実際に使うのは10GB未満であり、多くの無駄が出る。結局、Windows Server 2008の記事は32ビット版で検証し、Hyper-Vだけは借り物のノートPCを利用した。

     Windows Server 2008 R2はx64しかサポートしないので、Virtual PCの仮想マシンとしては構成できない。さすがにインストールもできないのは困るので、VHDブート機能を使ってデュアルブート環境を構築してみた。

    VHDで環境を構築してみると……

     インストール時にちょっとしたコマンドを叩く必要がある上、「指定したパーティションからは起動できないかも知れない」といった警告が表示されるものの、作業自体はそれほど難しいものではない。容量可変ディスクが使えるので、消費するディスク容量も最小限で済む。

     容量可変ディスクにインストールする場合、物理ディスクの空き容量が充分にないとブルースクリーンで落ちるのには参ったが、仮想ディスクのサイズをある程度小さくすることで対応できた。

     VHDブートを使えば、パーティションを切らずにデュアルブート環境でもトリプルブート環境でも簡単に構成できる。ちょっとしたことだが重要なことである。

     マイクロソフトによると、Hyper-V 2.0で容量可変ディスクを使った場合の性能低下は10%未満とのこと。おそらく、物理サーバから容量可変ディスクを利用する場合はもっと小さなオーバーヘッドで済むと思われる。数パーセントの性能低下など、どこか別の場所で取り戻せるだろう。しかも、仮想ディスクの実体は単なるファイルなので、物理ディスクの移動も簡単だ。容量の拡張だってできる。

     今まで、仮想ディスクは仮想マシンのオマケとして使っていたが、配置の柔軟性を考えると、将来は主役になる可能性もある。大いに期待したい。

    横山哲也(グローバルナレッジネットワーク株式会社 取締役技術担当)

     1994年頃からWindowsに関するプロフェッショナル向けトレーニングを担当、Windows NT 3.1以降の全てのバージョンを経験した。最近はWindows Server 2008 R2とHyper-Vを主に担当している。

     グローバルナレッジネットワークが運営するウェブサイト「G-Notes: Global Knowledge SNS」で、ブログ「千年Windows」を執筆中。主な著書に「Windows Server 2003完全技術解説」(日経BP)、「ひと目でわかるMicrosoft Windows Server 2003ネットワーク設定・管理術」(日経BPソフトプレス)、「実践Active Directory逆引きリファレンス」(毎日コミュニケーションズ)。

各賢人の意見はこれだ!
  • 横山哲也
    横山哲也 (グローバルナレッジネットワーク株式会社 取締役技術担当)

    VHDは仮想マシンのオマケ?否、主役になる可能性がある

     私はいくつかの媒体に技術記事を寄稿しているが、仮想マシンの検証にはずいぶん苦労する。ほとんどの機能は「Virtual PC」などの仮想マシンを使って検証を行うのだが、「Hyper-V」を含めた仮想マシンの検証だけは、仮想マシンではできない...(続きを読む)

  • 新井悠
    新井悠 (株式会社ラック サイバーリスク総合研究所 所長)

    マルウェア解析でも効果を発揮する仮想化テクノロジ

     筆者は仕事柄、マルウェア解析という作業を行うことがあります。その言葉の響きとは裏腹に、これは非常に地味な作業なのです。大量のアセンブラ命令を追い、その検体がいったいどのような感染動作を行うのか?などを、なるべく短時間に明らかにし...(続きを読む)

  • 後藤康成
    後藤康成 (フィードパス株式会社 取締役 CTO)

    ウェブアプリケーション開発でのVHD活用シナリオ

     僕は日常的にWindowsを利用していないことから、VHDについては馴染みが薄いが、Mac OSでいう.dmgの概念と同じようなものとして捉えるのがよいようだ。フィードパスではウェブアプリケーション中心の開発を行っていることから、ウェブアプリケーション開発でのVHDの効果的な利用方法について...(続きを読む)

  • 小山安博
    小山安博 (フリーランスライター)

    VHDのいいところはパフォーマンスが優れている点

     IT系の仕事をしていて、普段は使わないけど、意外に必要になってくるのが複数のOS。ソフトウェアを検証する際に、インストールは必要だけど検証のためだけに仕事の環境に導入したくない。そういったことがままあるからだ。

      そういうとき、WindowsであればVirtual PC、MacならParallels Desktopを使って...(続きを読む)

  • 吉田 実央
    吉田実央(けろ-みお) (株式会社アロウズテクノロジーズ)

    VHDの活用で削減できるコスト、できないコスト

     VHDのような仮想ディスクを導入した場合、削減可能なコストとしては、テストや動作検証を行う際の作業工数:作業効率UPに伴う人件費削減、ハードウェアの導入費用:初期費用の...(続きを読む)

  • 新野淳一
    新野淳一 (「Publickey」 Blogger in Chief)

    仮想環境では試せない性能テストも容易に

      仮想化技術の普及で仕事が楽になったものの1つが、アプリケーションの動作テスト環境の構築であることは間違いないでしょう。さまざまなOSのバージョンに、さらにパッチのバージョンを組み合わせ、その上クライアント/サーバ型のソフトウェアであれば、さらに複数のデータベースのバージョンを組み合わせたりと、多数の環境を用意するには、物理的なマシンやハードディスクで環境を...(続きを読む)

  • 海上忍
    海上忍 (フリーランス ITジャーナリスト)

    コストと気持ちの両方に効くVHD

     Windows 7とWindows Server 20008 R2でサポートされた「VHD」、便利に活用しています。自分でイメージを作成する場合は、固定長と可変長のどちらを選択するかでパフォーマンスが多少異なるなど、運用にあたってのノウハウが必要となりますが、Microsoft TechNetで配布されている評価版ソフトウェアを利用するかぎり、ただマウントするだけですから、造作はありません。

     エンドユーザーの立場で考えた場合...(続きを読む)

  • 甲元宏明
    甲元宏明 (株式会社アイ・ティ・アール)

    インストールという付加価値のない作業からの開放

     Windows Server 2008 R2およびWindows 7で、ブート可能なVHDが使えるようになったのは...(続きを読む)

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http://japan.zdnet.com/extra/windows7_panel_200912/story/0,3800102051,20406477,00.htm
【識者に聞く】期待の仮想ディスクフォーマット「VHD」、あなたならどう使う?
企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部