吉田実央(けろ-みお)の戦略

  • 吉田実央
    吉田実央(けろ-みお) (株式会社アロウズテクノロジーズ)

    VHDの活用で削減できるコスト、できないコスト

    仮想ディスクを導入して削減できるコストとは?

     VHDのような仮想ディスクを導入した場合、削減可能なコストとしては、

    1. テストや動作検証を行う際の作業工数:作業効率UPに伴う人件費削減
    2. ハードウェアの導入費用:初期費用の削減、資産の有効活用、エコ対策
    3. 運用コスト:ニーズの即対応における作業工数および人件費の削減、リスクの軽減
    4. サポートコスト:顧客と同一環境を用意し、ソリューションサポートを行う場合のコスト削減
    5. リソースコスト:リソースの管理工数に関わるコスト削減

     などがあると思います。その一方で減らすことができず、従来通りかかってしまうコストとしては、

    1. 環境構築に関わる作業工数:OSやソフトウェアのインストール、ネットワーク設定等
    2. OS、ソフトウェアのライセンス費用:たとえばWindows系OS、Microsoft Office製品、ウイルス対策ソフト等
    3. VHDやOSに起因するトラブル対応工数:たとえばブルースクリーン画面発生時

     が挙げられると思います。

    費用対効果は対象を明確化してから

     仮想ディスクの利点と欠点を理解し、活用しているソリューションと現在の保有している資産を照らし合わせながら、具体的に何をどのくらいまで削減したいのかを検証することが最も重要だと考えています。

     例えば、1人の社員が複数の端末を使用している企業の場合、端末を1本化することでハードウェアに対する導入および保守費用、もしくはハードウェア保証に関わる保険料のコストを抑えることができます。一方で、ソフトウェアのライセンス費用を抑えることを検討している場合は、仮想ディスクの採用は適さないと言えると思います。

     仮想ディスクを採用することで得られる費用対効果はどれぐらいなのか?については、所有しているIT資産の数、種類を見極め、削減対象を明確にしてから、仮想ディスク採用がもたらすコスト削減数値を試算する必要があります。また、「Dynamic Data Center」に代表されるような仮想化技術を適用した場合、運用監視方法を確立できるかどうかもコストに大きく左右します。

     例えば、リソース保護を目的とした運用を行う場合、RAIDのようなミラーリング方式を導入しなくても、仮想ディスクに対してリソースを同期させる仕組みを導入することも不可能ではないため、ハードウェア費用だけではなく、運用コストも抑えることもできると思っています。

     このように仮想ディスクは今後、様々なビジネスシーンで活用されるケースが増えてくると思います。アロウズコンサルティング、アロウズテクノロジーズでは、プラットフォームの枠を超えた仮想ディスクの活用を推進していきたいと考えております。

    吉田実央(株式会社アロウズテクノロジーズ)

     2009年12月まで、フリーのITエンジニア/テクニカルライターとして従事したの ち、2010年1月に株式会社アロウズテクノロジーズに入社。主にDynamics CRMやASP.NETを活用したソリューション構築を手がけている。Microsoft MVP for ASP/ASP.NET (Jan 2008 - Dec 2009 )保持者。

     オンラインでは、「けろ-みお」もしくは「kero_mio」のハンドル名で活動している。技術系コミュニティである「techbank.jp」を運営するかたわら、同サイト内において、マイクロソフト製品、.NET系プログラミングに関する技術情報を発信している。

     主な著書は「はじめてのVisual Studio 2008 (TECHNICAL MASTER)」(秀和システム)、「Microsoft .NETで考察するエンタープライズソリューション構築概要」(EnterpriseZine/翔泳社)、「サーバーサイドスクリプト500の技」「C/C++ 300の技」(技術評論社:共著) など。

各賢人の意見はこれだ!
  • 横山哲也
    横山哲也 (グローバルナレッジネットワーク株式会社 取締役技術担当)

    VHDは仮想マシンのオマケ?否、主役になる可能性がある

     私はいくつかの媒体に技術記事を寄稿しているが、仮想マシンの検証にはずいぶん苦労する。ほとんどの機能は「Virtual PC」などの仮想マシンを使って検証を行うのだが、「Hyper-V」を含めた仮想マシンの検証だけは、仮想マシンではできない...(続きを読む)

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     筆者は仕事柄、マルウェア解析という作業を行うことがあります。その言葉の響きとは裏腹に、これは非常に地味な作業なのです。大量のアセンブラ命令を追い、その検体がいったいどのような感染動作を行うのか?などを、なるべく短時間に明らかにし...(続きを読む)

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     IT系の仕事をしていて、普段は使わないけど、意外に必要になってくるのが複数のOS。ソフトウェアを検証する際に、インストールは必要だけど検証のためだけに仕事の環境に導入したくない。そういったことがままあるからだ。

      そういうとき、WindowsであればVirtual PC、MacならParallels Desktopを使って...(続きを読む)

  • 吉田 実央
    吉田実央(けろ-みお) (株式会社アロウズテクノロジーズ)

    VHDの活用で削減できるコスト、できないコスト

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  • 新野淳一
    新野淳一 (「Publickey」 Blogger in Chief)

    仮想環境では試せない性能テストも容易に

      仮想化技術の普及で仕事が楽になったものの1つが、アプリケーションの動作テスト環境の構築であることは間違いないでしょう。さまざまなOSのバージョンに、さらにパッチのバージョンを組み合わせ、その上クライアント/サーバ型のソフトウェアであれば、さらに複数のデータベースのバージョンを組み合わせたりと、多数の環境を用意するには、物理的なマシンやハードディスクで環境を...(続きを読む)

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    海上忍 (フリーランス ITジャーナリスト)

    コストと気持ちの両方に効くVHD

     Windows 7とWindows Server 20008 R2でサポートされた「VHD」、便利に活用しています。自分でイメージを作成する場合は、固定長と可変長のどちらを選択するかでパフォーマンスが多少異なるなど、運用にあたってのノウハウが必要となりますが、Microsoft TechNetで配布されている評価版ソフトウェアを利用するかぎり、ただマウントするだけですから、造作はありません。

     エンドユーザーの立場で考えた場合...(続きを読む)

  • 甲元宏明
    甲元宏明 (株式会社アイ・ティ・アール)

    インストールという付加価値のない作業からの開放

     Windows Server 2008 R2およびWindows 7で、ブート可能なVHDが使えるようになったのは...(続きを読む)

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http://japan.zdnet.com/extra/windows7_panel_200912/story/0,3800102051,20406477,00.htm
【識者に聞く】期待の仮想ディスクフォーマット「VHD」、あなたならどう使う?
企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部