Mozillaは、カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)に準拠した変更を世界中のすべての「Firefox」ユーザーに適用すると発表した。
米国で最も厳しいプライバシー法として知られるCCPAは米国時間2020年1月1日より施行され、さまざまなデータが収集される今日の世界により適したデータ保護規則をカリフォルニア州のユーザーに提供している。
CCPAは、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)のように、収集される個人情報について知る権利や自身の個人情報にアクセスできる権利を消費者に与える。個人情報が販売されたかどうかを知る権利や、販売を拒否する権利、個人情報の削除を求める権利なども付与する。企業は5万人以上のカリフォルニア州民の個人情報を処理している場合、CCPAの対象となる。
CCPAはシリコンバレーの大手テクノロジー企業各社に歓迎されない側面もあるが、MozillaはCCPAを支持してきた数少ない企業の1つだったと述べている。
Mozillaは今回、Firefoxに施した重要な変更の概要を説明している。この変更により、世界中のすべてのユーザーにCCPA規制で得られるメリットを保証する。この動きは、ビジネスの観点から見ても理にかなっているようだ。カリフォルニア州限定版のFirefoxと同州を除く世界向けの別バージョンをリリースしなくて済むためだ。
今回導入される主な変更点は、ユーザーがMozillaのシステムに保存されたFirefoxのテレメトリーデータの削除を要請できるようになることだ。テレメトリーデータに閲覧や検索の履歴などは含まれないが、開いたタブの数やブラウザーセッションの長さに関するデータは含まれる。
Mozillaでグローバルポリシー、トラスト、セキュリティ担当バイスプレジデントを務めるAlan Davidson氏は、「われわれは取り組みを強化し、ユーザーの削除権を拡大して、当社のシステムに保存されているテレメトリーデータの削除も対象に含めることを決定した」と述べた。
「これまで、業界では多くの場合、テレメトリーデータを『個人データ』とはみなしてこなかった。そのデータから特定の個人を特定することはできないからだ。しかし、この措置を講じることは、ユーザーとエコシステムにとって正しいとわれわれは強く感じている」
デスクトップテレメトリーデータの削除要請をブラウザーから直接実行できる機能を含む新しいコントロールは、1月7日にリリース予定のFirefoxの次のバージョンに搭載される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。