「周囲の人々に前向きに注意を払うという単純な行為が、生産性に大きな影響を与える 」--Tom Peters
お茶を飲みながらの上司との雑談が電話会議に置き換わったら、何が起きるのだろうか?経営陣と従業員の直接対話が、全員参加のバーチャルミーティングになったら?在宅勤務はニューノーマル(新たな常識)になったが、さらに進化して場所を問わない働き方が常識になったら?私たちは皆、リモートで働くことには、肉体的にも心理的にも、困難が伴う場合があることを知っている。
筆者は、Salesforceの顧客と市場に関する知見を担当するバイスプレジデントであり、同社の在宅勤務タスクフォースのメンバーでもあるKaren Mangia氏との共著で、在宅勤務でも自分の能力を十分に引き出し、最高のパフォーマンスを発揮するための方法について、いくつかの記事を書いてきた。在宅勤務で高いパフォーマンスを発揮するには、まず仕事環境をデザインして実現し、さらに話し方とプレゼンテーションのスキルに関する基礎を学び、磨きをかけることが求められる。
Karen Mangia氏
さらに、時間を管理するために、まず立ち止まって熟考し、時間の使い方に優先順位を付けなければならない。また、リモートで働くチームを効果的に管理するためには、新しい思考様式と行動様式が必要になる。リーダーが活動的なチームを管理するためには、すべての利害関係者と健全な関係性を築かなければならない。では、リモートでデジタル的にしかやりとりできない環境で、上司と従業員が、健全で、人を育てられる関係性を維持するためにはどうすればいいのだろうか。
つながりを望む従業員や、この新しい状況下で部下を導いていく方法を学ぼうとする上司は、過去のパターンを再検討して、今の環境で有効な関係性をあらためて構築する必要がある。Marshall Goldsmith氏は、「これまで役に立ったことが、これからも役に立つとは限らない」と述べている。これは、優れた従業員やリーダーであっても、現在の状況下でもイノベーションを生み、結果を出すことができる、より深い協力的な関係性を構築するための新たな戦略が必要であることを意味している。
「Peter Drucker氏は『私たちの人生の目的は、前向きな変化を生むことであるべきで、自分たちの賢さや正しさを証明することであるべきではない』と述べている」--Marshal Goldsmith
読者の中には、上司とよい関係性を築く方法を知りたいが、その方法を質問できずにいるという人もいるだろう。
そういう人はあなただけではない。この記事では、何人かのリーダーに、どうすればうまくいき、何がうまくいかないのか、上司と部下の間で起きた失敗を取り返すにはどうすればいいかを尋ねた。インタビューでは、物理的な距離があっても、距離を感じさせないようにするためのさまざまな知恵や、時代が変わっても変わらないヒントを得ることができた。