みずほ銀行とSCSKは、イスラエルに拠点を置くスタートアップ企業BioCatchの行動的生体認証技術を用いた金融詐欺防止の実証実験を実施している。
行動的生体認証とは、ユーザーのタイピング速度、マウスの動き、画面スワイプの速度、指圧など、さまざまな振るまいの情報を取得分析し、ユーザーが本人かどうかを認証する認証方式。一般的な認証方式と異なり、ログイン後も継続的な本人認証を行えることに加え、認証のための追加アクションを必要としないため、ユーザーに煩わしさを感じさせないことがメリットだという。
BioCatchは、人工知能(AI)を活用した行動的生体認証のプラットフォームを提供する企業で、ユーザー特有の行動に関するデータを蓄積・分析し、不正なアカウント開設や取引などを検出している。同プラットフォームは、米国の金融機関を中心に導入されているという。
同実験は4~6月に実施され、みずほ銀行デジタルイノベーション部米州室とSCSKのシリコンバレーオフィスで開始した。みずほ銀行は、なりすまし対策やその他の金融詐欺の対策ソリューションとしての有効性を分析し、SCSKは、疑似バンキングアプリケーションの開発、BioCatchのテクノロジーの実装、各種機能の確認・テストシナリオの実施を進める。なおBioCatchは、行動的生体認証プラットフォームの提供とSCSKに対する技術サポートを行う。
みずほ銀行とSCSKは実験の結果を基に、金融詐欺対策としてAIを活用した行動的生体認証ソリューションの早期導入を目指す。