Hack The Crisis、アフガニスタンに上陸
新型コロナウィルスが引き起こす様々な課題を解決するため、2020年3月にエストニアで始まった世界的なオンラインハッカソンシリーズ「Hack The Crisis(HTC)」。これまでにポーランドやリトアニア、デンマークなど欧州を中心に70カ国以上で開催されてきた。そしてついに6月、アフガニスタンでも開催された。
「Hack The Crisis Afghanistan(HTCA)」は、その他HTC同様、新型コロナウイルスがもたらす問題を解決することが目的だ。しかし、同国は政治不安、暴力、戦争など、新型コロナウイルス以前から深刻な問題を抱えており、これまでのHTC開催国の多くとは状況が大きく異なる。
主催組織の1つ、Garage48によると、アフガニスタンではコミュニティーが重要視されるため、ソーシャルディスタンスの実践が難しいのだという。さらに、多くの人々は何週間も家の中に篭もっているだけの資産がなく、家族を養うために働き続けなければならない。
Garage48は「パンデミックにより、元々脆弱なヘルスケアシステムにさらにプレッシャーがかかっています。マスクや手指消毒剤、送風機の不足が深刻です。モバイル通信やノート型パソコンは贅沢品なので、ホームスクーリングも実際のところ、解決策として機能していません」と現状を説明する。
Garage48 CEOのMari Hanikat氏(左)とAccelerate Estoniaでキーメンターを務める Joao Rei氏
Garage48最高経営責任者(CEO)のMari Hanikat氏はハッカソン開会のスピーチで「昨年、われわれは初めてアフガニスタンでハッカソンを行いました。そして、いずれまたアフガニスタンでハッカソンを開催したいと思っていました。そうしているうちにコロナウィルスが拡大し、ロックダウン(都市封鎖)中のエストニアでHack The Crisisが始まりました。その後、世界中でHTCがオンラインハッカソンの形で開催され、ノウハウを蓄積してきました。それなら、物理的に訪ねることが難しいアフガニスタンでもオンラインで開催できるはず。こうしてハッカソンを開催する運びとなりました」と語った。