Honeywellは、ライフサイエンス業界向けの品質管理ソフトウェア(QMS)を提供するSparta Systemsを13億ドル(約1400億円)で買収することを発表した。「Honeywell Forge」プラットフォームのリーチを拡大する狙いがある。全額現金による買収となる。
![Sparta Systems Trackwise Digital stack](/storage/2020/12/23/36764bd7ad35f17c5727d2c9928ef156/sparta-systems-trackwise-stack.png)
Sparta Systemsは、AI対応のSaaSによるQMSを提供している。Honeywellは、Sparta SystemsをForgeプラットフォームや「Experion Process Knowledge System(PKS)」と組み合わせて、ライフサイエンスへの取り組みをさらに拡大する計画だ。
Sparta Systemsの買収は、Honeywellが提携や買収によって、Forgeをより規制の厳しい業界にも展開しようとしていることを示している。HoneywellはVertivやSAP、Microsoftと提携しているほか、Sine GroupやBallard、Rocky Researchなどの企業を買収している。
Sparta Systemsの主要なプラットフォームは、「TrackWise Digital」(Salesforceのプラットフォーム上に構築されている)と「QualityWise.ai」だ。QualityWise.aiは自然言語処理やシグナル検出、レコメンデーションに関する信頼水準といった機能をTrackWise Digitalにもたらす。
これら2つのプラットフォームがHoneywell Forgeと統合され、ライフサイエンス分野のメーカー向けのサービスを強化する。Honeywellは自社の規模を活用し、Sparta Systemsのリーチを拡大していく。
Honeywell Connected Enterpriseの最高経営責任者(CEO)Que Dallara氏は、Spartaのサービスはライフサイエンス分野のメーカー向けに品質データと生産データを結び付けると説明している。Honeywellの「Fast Track Automation」は、これらのメーカーが治療やワクチンの開発や生産を促進できるよう支援している。
Sparta Systemsはニュージャージー州ハミルトンを拠点とし、従業員約250人と400を超える顧客を擁する。Honeywellは、Sparta Systemsのテクノロジーと、Honeywell Connected Enterprise、Honeywell Forge、「Honeywell Process Solutions」間のシナジーに期待していると述べている。Sparta Systemsは、製薬とバイオテクノロジー、医療機器、食品と飲料、化学薬品と農薬のほか、規制産業などの業界にソリューションを提供している。
Honeywellは、人の意思決定を強化するAIと機械学習でSparta Systemsの「TrackWise Digital QMS」を強化していくとしている。また、HoneywellはこのプラットフォームをIoTデータや運用データと接続し、製造上の異常などに活用するという。
買収手続きは2021年第1四半期中に完了する見通しだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。