英政府機関、安全なパスワード作成のガイダンス--ペットの名前などリスクと注意喚起

Danny Palmer (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2021-04-17 08:30

 多くの人は簡単に推測できるパスワードを使っている。例えばペットの名前や家族の名前、重要な日付、好きなスポーツチームなどが使われることが多く、中には「Password」というパスワードを使っている人もいる。推測しやすいパスワードを使っていれば、サイバー犯罪者にアカウントを悪用されるリスクが高まる。

 英国の国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)が実施した調査によれば、英国の15%の人はオンラインアカウントのパスワードにペットの名前を使ったことがあり、14%は家族の名前を使ったことがあるという。NCSCは先週、「ペットの日」(National Pet Day)に合わせ、適切なパスワードを利用するよう国民に呼びかけた。

 また、13%は誕生日や記念日などの特別な日付を使ったことがあり、6%は応援しているスポーツチームの名前を使用した経験があった。

 こうしたパスワードは覚えやすいが、犯罪者にアカウントを乗っ取られるリスクも高くなる。攻撃者はソーシャルメディアの投稿などの公開情報を集めることができるが、そこにペットの名前などのヒントになる情報が含まれている場合があるためだ。攻撃者は、そうした情報を利用してアカウントに侵入しようとするかもしれない。

 また、攻撃者が総当たり攻撃を行うツールを使ってアカウントを破ろうとする場合もあり、単語1つの簡単なパスワードでは比較的簡単に破られてしまう。ましてや「password」のようなデフォルトの認証情報をそのまま使うのは、簡単にアカウントを破る手段を提供しているようなものだ。

 弱いパスワードを使っていると、個人情報や財務情報をリスクに晒してしまうことになる。特に、同じパスワードを複数のアカウントで使い回していると危険が大きくなる。

 さらに深刻なリスクとなるのは、盗まれたパスワードを企業アカウントでも使い回していた場合だ。サイバー犯罪者が、個人アカウントで手に入れたパスワードが企業アカウントでも使えるかどうかを試せば、所属企業がサイバー攻撃のリスクに晒される恐れがある。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    マンガで解説!情シスが悩む「Microsoft 365/Copilot」の有効活用に役立つ支援策

  2. ビジネスアプリケーション

    AIエージェントの課題に対応、生成AIの活用を推進するための5つのデータガバナンス戦略

  3. セキュリティ

    新入社員に教えるべき情報セキュリティの基礎知識--企業全体を守るための基本ルールを徹底解説

  4. ビジネスアプリケーション

    AIの投資対効果を最大化する「先導者」の存在--企業に求められる戦略策定能力

  5. ビジネスアプリケーション

    「AIエージェントによる顧客サポート」など10選、セールスフォースが示す最新のデータ活用法

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]