ガートナー ジャパンは、日本企業におけるエンドユーザーによるアプリケーション開発(市民開発)に関する実態調査の結果を発表した。
これによると、「エンドユーザーが開発したアプリケーションがある」と回答した割合は62%に上った一方、IT部門に所属する個人の回答でも、約37%がエンドユーザーによる市民開発を認識してていることが分かった。
エンドユーザーがアプリケーションを自ら開発する理由(回答:ユーザー部門)
エンドユーザーによるアプリケーション開発の課題
この調査は2021年2月、日本の企業内個人を対象に実施された。
エンドユーザーが自ら開発する理由について複数回答でたずねたところ、「自分たちで開発できる(IT部門に頼むほどではない)」(62.2%)、「自分たちの要求、要件の内容に沿ったものができる」(54.6%)、「自分たちで開発した方が早い(時間短縮)」(52.1%)が回答の上位3項目に挙げられた。
市民開発の対象となるアプリケーションの種類については、回答が最も多かった項目は「自分自身の作業効率の向上」(47.5%)だったが、自分自身だけでなく、部署レベルで相対的に複雑な処理が求められる領域でも市民開発が多く見られ、幅広い市民開発が日本でも進展していることが明らかになっている。
一方、市民開発における課題については「ブラックボックス化、属人化」「品質のばらつき」「ガバナンスの困難さ」が上位3項目に挙げられた。
さらにユーザー部門の個人に、今後のアプリケーション開発の在り方についてたずねたところ、「IT部門によるサポートを得て、エンドユーザーによるアプリケーション開発を推進すべき」(48.9%)という回答が最も多かったものの全体の半数に至っていない。一方で、「IT部門に開発を任すべき/移譲すべき」(30.0%)という回答も多く、必ずしもユーザー部門側が市民開発の継続一辺倒で考えているわけではない現状が浮き彫りになった。
また、IT部門の個人に、今後の市民開発に対する関与の在り方をたずねると、「ガバナンスなどルールづくりに関与すべき」と回答した割合が突出(73.3%)しており、市民開発に関するIT部門の問題意識が表れた結果となった。