Googleは、同社の脆弱性報奨金プログラム「Vulnerability Reward Programs」(VRP)で2021年に870万ドル(約10億円)を報奨金として支払ったことを明らかにした。
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Vulnerability Rewards TeamのSarah Jacobus氏によると、このうち30万ドル(約3400万円)は、研究者が選んだ慈善団体に寄付された。
「Android」の脆弱性発見に対する報奨金は前年比で2倍になり、さまざまな脆弱性を発見した研究者に300万ドル(約3億5000万円)近くが支払われた。Androidの脆弱性発見者に支払われた報奨金の最高額は過去最高の15万7000ドル(約1800万円)だった。
またGoogleは、一部の有名なAndroidチップセットのメーカーと共同でGoogleが提供する招待制の脆弱性報奨プログラム「Android Chipset Security Reward Program」(ACSRP)を立ち上げている。
このプログラムでは、220件を超えるセキュリティ報告に29万6000ドル(約3400万円)を支払った。「Pixel」デバイスで使用されているセキュリティチップ「Titan M」の脆弱性発見者には、150万ドル(1億8000万円)を支払うという。また、Androidの安全性を維持する取り組みを続けている上位の研究者として、Bugsmirror TeamのAman Pandey氏、Yu-Cheng Lin氏、報奨金額は15万7000ドル(1800万ドル)を獲得した、アカウントgzobqq@gmail.comの研究者らが挙げられている。
「Chrome」に関しても新たな記録が生まれた。Chromeのセキュリティ脆弱性333件を発見した研究者115人にVRP報奨金総額330万ドル(3億8000万円)が支払われた。
「330万ドルのうち、310万ドル(約3億6000万円)はChromeブラウザー、25万500ドル(約2900万円)は『Chrome OS』の脆弱性発見の報奨金だった。個別のセキュリティ脆弱性報告の報奨金最高額は、Chrome OSが4万5000ドル(約520万円)、Chromeブラウザーが2万7000ドル(約320万円)だった」(Jacobus氏)
「これらの総額のうち、VRP研究者が『Chrome Fuzzing』プログラムに提供したファザーによって発見されたセキュリティの問題に5万8000ドル(約670万円)の報奨金が授与された。外部から提供されたファザーによる有効な報告には、それぞれ1000ドルのパッチボーナスが支払われた。1万6000ドルの報奨金を受け取ったファザー報告もあった」
Jacobus氏は、Chromeの脆弱性発見に大きな貢献を果たしたとして、Rory McNamara氏、Leecraso氏、Brendon Tiszka氏の功績をたたえた。
Google Playでは、セキュリティ研究者60人に報奨金55万ドルが支払われた。また、11月に「kCTF」クラスターの脆弱性を対象とした報奨金が拡大され、最大額が1万ドルから5万227ドルになった。
Google Cloud Platformに関しては、2019年に「GCP VRP Prize」を開始している。2021年3月にこの賞の2020年版の優勝者が発表された。賞金は総額31万3337ドルだった。Ezequiel Pereira氏が最高額を受け取った。「Google Cloud Deployment Manager」に存在するRCEの発見に13万3337ドルが支払われた。
Googleは2021年、研究者と連携し、数多くの脆弱性を発見、修正したとしている。また、Googleの製品やインターネットの安全性を維持するための一般研究者向け専用ポータル「bughunters.google.com」を立ち上げた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。