ビジネス部門がビッグデータを過小評価している--ガートナーが指摘

山田竜司 (編集部)

2014-04-18 14:23

 ガートナージャパンが「2014年以降の日本企業のITインフラストラクチャの将来に向けた展望」というレポートの中でビッグデータ分野を予測した。企業のIT部門は、ビッグデータの活用に向けて業務部門との対話をその中核的な役割として位置付けることが重要であると説明している。

 2017年までに、大企業における情報システム部門の3割以上が、ビッグデータに関するインフラ担当組織の役割を見直し、業務部門のビッグデータに向けたテクノロジ活用の啓蒙し、企業内のインフラ最適化に向けた調整を進めるようになるという。

 ガートナーは、ビッグデータプロジェクトの最大のハードルは、「データと分析手法をいかに成果に結び付けるか」だと指摘。業務部門の活動と密接に関連しているため、蓄積した大量データを活用せずに放置すれば、グローバル規模で進み始めている企業間の競争の中で競合に引き離されるリスクがあるという。投資を重ねるだけでは次につながらない恐れがあるなど、ジレンマに悩むIT部門は少なくないと説明している。

 2013年8月にガートナーが実施したユーザー調査では、企業のITインフラ担当組織の7割が、従来の責任範囲内にとどまることなくビッグデータに向けた活動をリードすべきであると回答した。6割がそのためにインフラとなる組織の役割の見直しを進めるべきとしている、ビジネスの現場を担う業務部門の多くが、ビッグデータなどの新技術が自社に及ぼす影響の大きさを過小評価しているか、現実の行動に結び付けられていない状況にあると説明した。

 従来と同じ枠組みで改善を試みるのが、日本企業の平均的な姿だという。一方で、既存の仕事の進め方からの脱皮を求める声が強まっていることがユーザー調査結果から分かったとのこと。

 企業のIT部門は、ビッグデータの活用に向けて、技術の習得やインフラ展開の準備を進めるのみではなく、業務部門との対話をその中核的な役割として位置付けることが重要であると説明。さらに、ビッグデータに関してインフラへの需要が出てくるまで待つのではなく、インフラの活用に向けた需要を社内で喚起する方針で行動するべきと提言している。

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