米IBMは米国時間3月20日、企業が詐欺や金融犯罪による被害から身を守るために、ビッグデータを活用するための新たなソフトウェアとサービスの提供を開始すると発表した。企業が資産やブランド価値を守るために毎年3兆5000億ドルが失われていると指摘。業務知識と分析力を用いた新製品とサービスが、包括的な対処法になるとしている。
新製品とサービスでは具体的に、モバイル、ソーシャル、オンラインなどさまざまな環境を通じてデータを蓄積し、詐欺のパターンなどを割り出す。その際、可視化や機械学習などの技術を盛り込み、高度な分析をするという。
例えば、メール、ソーシャルメディア、モバイルなどのチャネルをまたぐ「クロスチャネル」の詐欺を検出することで、フィッシング詐欺などのサイバー犯罪を防ぐという。保険会社なら、数千ものクレームをリアルタイムに把握することで、詐欺行為の発生により早く気づける。グローバルに展開する銀行が、マネーロンダリングなどの不正行為を察知し、いち早く対処することも可能になるとしている。
Gartnerの予測によると、現在の採用企業は8%にとどまるが、2016年には大規模なグローバル企業の25%が、少なくとも1つのセキュリティ関連のユースケースを得るためにビッグデータ分析を採用し、最初の6カ月以内に投資を回収するという。IDCは、金融犯罪対策の市場はには47億ドルに達し、202014年14年から2017年の間、年平均5.5%で成長するとしている。