IDC Japanは4月20日、3月に実施した国内中堅中小企業のIT投資動向調査の結果を発表した。これによると、2010年度のIT投資予算では、2009年度から「減少する」と回答した企業の割合は35.3%で、「増加する」と回答した企業の割合29.9%を上回った。
IDC Japanではこの結果から、IT投資を抑制する企業が依然として多いとしながらも、2009年7月に実施した前回の調査結果では「減少する」が41.4%、「増加する」が28.0%であったことから、前回よりは改善傾向にあるとしている。
また、2011年度IT投資予算の前年度比増減率では、「増加する」と回答した企業の割合が33.6%で、「減少する」と回答した企業の割合28.5%を上回った。このことからIDC Japanでは、2008年からの中堅中小企業のIT投資抑制傾向に歯止めがかかりつつあるとみている。ただし、大企業の2010年度IT投資予算の前年度比増減率は、2009年7月の前調査時と比較して悪化しているという。
中堅中小企業におけるIT投資重点項目では、これまでも継続的に重点投資されてきた「セキュリティ強化」関連の項目の回答率が高いものの、「コンプライアンス対策」関連の項目の回答率は2009年2月調査時と比較して下がったという。また、今回の調査では、基幹系システムやERPなどバックオフィス系システムの刷新に関連する回答率が前回の調査よりも上がっており、IDC Japanはこれまで凍結されていた刷新の再開を検討する企業が徐々に増加しているとみている。
中堅中小企業の抱える経営課題としては、「売上拡大」「コスト拡大」に関連する項目の回答率がこれまでと同様に高かったが、今回の調査では「人材不足」「従業員教育」といった「人材」に関する項目の回答率も高かったという。IDC Japan ITスペンディング マーケットアナリストの市村仁氏は「中堅中小企業でも今後の景気回復を見込み、体制強化を検討する企業が徐々に増加している。しかし、景気回復に伴って人材の課題がさらに深刻化する可能性が高い。したがって、ITベンダーはユーザー企業の課題を解決すべく、業務委託を含めた包括的なソリューションの提案が重要になる」と分析している。
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