小岩井乳業は、販売情報分析システムにインメモリビジネスインテリジェンス(BI)ツール「QlikView」を採用した。クリックテック・ジャパンとアシストが9月22日に発表した。
小岩井乳業では、これまで既存のBIツールを営業部門を中心としたエンドユーザーがそれぞれ必要に応じて定型レポートをカスタマイズして利用するという運用を行っていた。しかし、ツールの操作が難しく、利用率の低下などの課題が生じていたという。ビジネス戦略の変化や状況の変化に応じて分析のもととなる定型レポートを変更、改修するためには、協力会社のサポートが都度必要となり、ユーザー部門からの要求への対応に時間とコストがかかるといった課題も抱えていた。
そこで小岩井乳業では、販売情報を有効活用することでこれまで以上の営業活動の強化と売上向上を目指し、既存の販売情報分析システムの刷新に着手。要件として「現場の社員にもわかりやすい操作」と「フレキシブルに要件の実装ができ、総所有コスト(TCO)の削減につなげられること」の2点を特に重要視したという。ツールを選択するにあたり、現状の課題解決だけではなく、今後BIツールの標準とすることも条件に検討した。
その結果、スケーラビリティの高さやハードウェア構成がシンプルであること、データ処理と連携工数、マスタ管理工数が非常にコンパクトであることなどが評価され、QlikViewの採用を決定したという。
小岩井乳業は、新システムによりエンドユーザー自身による自由分析機能を維持した上で、操作方法の簡易化とレスポンスの高速化を実現。QlikViewの機能を活かしたビジュアル性の高い画面をエンドユーザーに提供することで、営業活動状況の見える化を図るとしている。現在は新入社員から部門マネージャまでが、自ら多角的な分析にQlikViewを利用している。
QlikViewは、クリックテックが独自開発した特許取得済みの連想技術を用いてインメモリを可能にしたエンドユーザー主導型の情報分析基盤。エンドユーザー自身の直観的な思考でデータを検索し、リアルタイムに計算する技術によって企業に生産性向上をもたらすという。導入に数カ月や数年を要していた従来のBIツールとは異なり、数日から数週間という短期間で導入でき、個人ユーザーからグローバル企業まで、ノートPCやモバイル端末、オンプレミスやクラウドコンピューティングを問わず利用できるとしている。
QlikViewは、クリックテック・ジャパンが日本国内で提供し、アシストが販売している。小岩井乳業への導入には、アシストのビジネスパートナーであるコベルコシステムが全面的にサポートした。