勢いを増す3Dプリンティング--知っておきたい10のこと

Lyndsey Gilpin (TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2014-03-12 07:30

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 3Dプリンティングの世界は刺激的だ。この業界は急速に発展している。プリンタの値段は下がり、クリエイティブな起業家、革新的な新興企業がひしめき合い、扱える素材は増えている。

 3Dプリンタが3D SystemsのChuck Hull氏によって1983年に発明されて以来、世界中にこの技術を扱う企業が生まれ、最も革新的なプリンタを作ろうと争っている。この記事では、3Dプリンティングが重要である10の理由について説明する。これを読めば、この機器が投資に値すると判断する読者もいるだろうし、将来、この未来的な技術が会社や家庭にやって来るだろうと悟る人もいるかもしれない。


MakerBot製「Replicator 2」では、最大410立方インチ(約6720立方cm)の大きい物体を作ることができる。2012年に発売されており、エンジニア、研究者、またはクリエイティブな専門家が卓上で使えるようになっている。
提供:MakerBot

1.3Dプリンティングは2014年の注目産業

 熱気は高まっており、3Dプリンティングは、消費者市場でもエンタープライズ市場でも広がっている。Gartnerの調査によれば、10万ドル以下のプリンタ市場は、2013年中に約50%成長すると見込まれていたが、2014年には75%成長するという。現在、企業は3Dプリンタを使用して物体のプロトタイプを作っているが、2014年は製品のデザインを作るのに使われるケースが増えていくと予想される。

2.3Dプリンタは「メーカー」を後押しする

 前WIRED編集長のChris Anderson氏は、著書「Makers」の中で、オープンソースデザインと3Dプリンティングによって、新たな産業革命が起きつつあると述べている。多くの起業家はマイクロ製造を採用して、カスタマイズされた製品の少量生産を行っている。また、クラウドファンディングのサイトを利用することで、そのような事業の資金を集めるのに、ベンチャーキャピタリストに頼る必要がなくなっている。

3.カスタマイズ--3Dプリンティング技術の次のステップ

 ものをどうやってプリントするかではなく、何をプリントするかが問題になる日は、すぐにやってくる。3Dプリンティングについて調査している、GartnerのリードアナリストであるPete Basiliere氏によれば、この業界の次の流行語はカスタマイズだ。インターネット上で手に入る交換部品、おもちゃ、ランダムデザイン、回路図などは、すべて顧客のニーズに合わせてカスタマイズ可能だ。プリンタは物品を1つずつプリントするため、カスタマイズは比較的に簡単に行うことができる。たとえばShapewayは、顧客がデザイナーとつながり、宝飾品や室内装飾などのカスタマイズされた製品を注文できるウェブサイトだ。

4.3Dプリンティング技術には複数のタイプがある

  • 熱溶解積層法:この技術の最も良い例は、MakerBotだろう。この種のプリンタは、プラスチックフィラメントを溶かして、モデルができあがるところまで、プラスチックの層を積み上げていく。プラスチックには次の2種類があり、MakerBotはその両方を使用する。ABS樹脂は耐久性があり、石油由来の原料から作られる。一方、PLA樹脂は微生物によって分解可能で、植物由来の原料から作られる。
  • 光造形法:この種のプリンタは、樹脂の加工にレーザーを使用し、1層ずつ硬化させ、プロトタイプを作成するのに使われる。別の方法を使用したラピッドプロトタイピングではパーツを支える支持材を使用せず、パーツを早く成形することができるが、基本的な光造形法では、支持材を手動でパーツから切り離す必要がある。
  • 粉末焼結積層造形法:レーザーを使って金属粉末を焼結して、立体的な構造を作る手法。各層が焼結されるごとに、構造が下にさがり、次の層がその上に作られる。

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